昨年7月のシリーズEラウンドで2億5000万ドル(約276億円)を調達し、評価額が27億5000万ドルとされたZiplineのドローン配送は、車やトラックによる輸送に比べ、大気への有害物質の排出を98%削減できるという。
「私たちは、あらゆるプロダクトが瞬時に届けられる未来を想像している」と、Ziplinの創業者でCEOのケラー・リナウドは述べている。
同社のノースキャロライナ州でのオペレーションには、医療機器販売のCardinal Healthや医薬品の流通企業のMagellan Rx Management、800箇所の医療拠点に物資を届ける医療プロバイダのNovant Healthらが参加する。
ドローン配送企業の多くは、クアッドコプター型のドローンを使用しているが、Ziplineは固定翼式のドローンを用いて、より効率的に、より遠くまでデリバリーを行っている。また、同社のドローンは屋根の上に設置できる小型のカタパルトから飛び立ち、着陸して荷物を届けるのではなく、目的地の上空から小型のパラシュートつきの荷物を投下する。
Ziplineによると、同社のドローンはこれまで33万回以上、320万点以上のアイテムを有料で配送しており、現在は4分に1回の頻度でデリバリーを実施中という。同社は6月20日に取得した米連邦航空局(FAA)のライセンスにより、最大で往復42キロのエリア内にデリバリーを提供可能になった。
「当社は現在、米国で最も長距離のオンデマンドの商業ドローン配送を実施する権限を持ち、国内の無人航空機(UAS)配達システムの中で最大のエリアをカバーしている」と、Ziplineは述べている。同社は、ウォルマートやトヨタとも提携を結び、ルワンダとガーナの医療機関にもサービスを提供している。