中国が入国者の隔離期間を7日間に短縮、旅行関連株が急騰

Photo by Kevin Frayer/Getty Images

中国政府は6月28日、海外からの入国者に義務づけている新型コロナウイルス関連の隔離期間を以前の14日間から7日間に短縮する方針を発表した。これを受け、中国の観光・旅行関連の企業の株価は28日の米国株式市場で急騰した。

中でも、ナスダックに上場するオンライン旅行サイト最大手のTrip.comの株価は、正午頃までに14%上昇して28.11ドルをつけた。検索大手のバイドゥが約11%を所有するTrip.comの株価は、2月の高値を更新する勢いだ。

中国のビリオネアのジ・チーが会長を務める大手ホテルチェーンHuazhu Hotels Group(華住酒店集団)の株価も5.9%上昇して37.87ドルをつけた。ジは、フォーブスのミダスリストメンバーのニール・シェンやJPガン(JP Gan)とともに、Trip.comの取締役を務めている。上海に本拠を置くホテルチェーンGreenTreeの株価も6.6%上昇した。

中国のツーリズム業界はパンデミックが始まって以来、旅行関連の制限によるダメージを受けてきた。また、今年の上海でのロックダウンはテスラなどの企業のサプライチェーンの混乱を引き起こし、投資額を引き下げ、中国で最も国際的な都市の1つである上海から駐在員たちを流出させた。

一方、28日の市場では航空株も上昇し、中国東方航空の株価は6.7%高、中国南方航空の株価は3.8%高となっている。中国の株式市場のベンチマークであるCSI指数も、成長への期待から1%上昇し、3カ月ぶりの高値となる4490.52を記録した。

中国政府はこれまで、海外からの入国者に対しホテルなどの指定施設での隔離を14日間行ったあと、自宅での健康観察を7日間行っていた。しかし、今後は、指定施設での隔離を7日間行ったあと、自宅での健康観察を3日間行うことになるという。

編集=上田裕資

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