ビジネス

2022.07.02 17:00

オラクル創業者ラリー・エリソン、新たな挑戦は全米医療データベースの構築


エリソンはこの件に関する彼の思いを、今月始めに行われたオラクルの「Future of Healthcare(医療の未来)」カンファレンスで話した。「サーナーとオラクルが組むことで、革新的な医療管理情報システムをクラウドに作るために必要な技術はすべて揃います【略】そのシステムは今よりはるかに良い情報を医療従事者に届けます。より良い情報は医療を根本的に変えるでしょう【略】私たちは、この医療記録が、全米国市民の医療記録が、病院レベルで存在するだけでなく、1つに統一された全米医療データベースに格納されるシステムを作っています【略】この全国データベースは電子医療記録のデータ断片化問題を解決するものです」

もちろん、この過程には高いハードルがいくつもある。医療記録断片化の解決策として国家データベースが提案されたのは、もちろんこれが初めてではない。医療記録は人々の命や個人情報にかかわる繊細なデータであり、そのために政府が患者を保護するために厳格な規制をかけることから、その管理と運用が著しく困難であることで知られている。

さらに、全国データベースは、その脆弱性がもたらす影響の大きさから、セキュリティに関して脆弱性がないか精査されることになるだろう。過去10年間に医療関連のサイバー攻撃が大幅に増加していることを踏まえるとなおさらだ。実際、この試みを達成するためには数多くの課題がある。

医療データの断片化が、患者の安全とケア、ひいては健康の転帰に害をもたらすことは間違いない。オラクルはこの道を進むために、今後数カ月間に山ほどの難問を抱えている。しかし、同社が広めようとしている革新的ビジョンは、医療データの未来にとって明るい兆候であり、実際これは最終的に必ず解決されなくてはならない問題なのだ。

翻訳=高橋信夫

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