アフメトフはウクライナに鉄鋼と穀物の施設を所有するシステム・キャピタル・マネージメント・グループ(SCM)の創業者で、これらの施設はロシア軍の標的となった。そうしたものの1つが、先月ウクライナ軍が降伏するまで港湾都市マリウポリの最後の砦として機能したアゾフスターリ製鉄所だ。
紛争がまだ続いているため正確な損害額は正しく評価できないが、アフメトフ側はロシアから数十億ドルの賠償を受けてしかるべきと考えている。
また、アフメトフはロシアによるウクライナの輸出物資の略奪が食料価格を上昇させ、「世界中の人を飢えさせている」と指摘。訴訟と同時に、ロシアがSCMの穀物会社や鉄鋼会社に悪影響を与えるような行為をしないよう裁判所命令を求めている。
「悪は罰せられなければならない。ロシアのウクライナと国民に対する犯罪はひどいもので、罪を犯した者は責任を負わなければならない。私は正義を信じ、そのために戦っている」とアフメトフは声明で述べた。
フォーブスの推計によると、アフメトフの資産は46億ドル(約6230億円)だ。炭鉱労働者の息子であるアフメトフは、1990年代の鉱業民営化の際に鉱業資産を買収し始めた。ロシアによる侵略以来、アフメトフは何十億ドルもの資産を失った。
アフメトフは3月に、SCMの収入減に対する損害賠償を求めてロシアを訴える考えを明らかにした。しかし当時、ウクライナの勝利に集中しており、同氏の会社は物資と技術の両面でウクライナ軍を支援していると語った。
アフメトフは戦争終結後にマリウポリとウクライナ国内のその他の地域を再建すると約束しており、3月に「目標を達成するために費用や努力を惜しまない」とフォーブスに語っている。