8月6日に『ブレット・トレイン』(日本では9月1日公開)が大爆発しない限り、現在上映されている大作、そして将来公開される大作が9月までずっと走り続けることになる。1997年と1998年に公開された『タイタニック』の6億ドル(調整前)を超えるのはほぼ確実だ。
『トップガン マーヴェリック』は『タイタニック』の総興収6億5800万ドル(2012年の3D復刻版を含む)を抜いてパラマウント最大の米国内興収となり、史上7番目の米国内興収となる可能性もある。インフレ調整後でも、パラマウント作品の中では『グリース』(1978年、1億8800万ドル / 調整後7億600万ドル)、『タイタニック』(調整後12億ドル)に次ぎ、ファンタジーを除くアクション映画では『007/サンダーボール作戦』(1965年6500万ドル / 調整後6億8600万ドル)に次ぐ成績になるかもしれない。
世界的には、興収が10億ドルを突破したものとしては50作品目となり、現在『ダークナイト』(10億600万ドル)をわずかに下回る。
『トップガン マーヴェリック』は、2022年の世界興収と米国内興収で最大となり、2000年に公開されたトム・クルーズの『ミッション:インポッシブル2』以来、ファンタジー以外のアクション映画として初めて夏の興収で首位に立つ。普通の映画ファン、トム・クルーズファン、トップガンファン、そして『アバター』『アメリカン・スナイパー』『パッション』『ブラックパンサー』といった一世一代の作品しか観ないようなさほど熱心ではない映画ファンを圧倒的に引きつけている。
不定期に映画館に足を運ぶ人々が、映画館に行くのが好きになり、より多くの「普通の映画」の鑑賞にも行くようになるという、「すべてがうまくいく」状況にもなり得る。それが2つ目の奇跡だ。