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2022.06.28 07:45

EV充電を広告モデルで無料化する米スタートアップVoltaの挑戦

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ガソリン価格の高騰でEVへの関心がますます高まる中、充電設備の整備が急務となっている。米国の運輸省とエネルギー省は昨年2月、バイデン大統領が署名した超党派インフラ法に盛り込まれた「EV充電プログラム(National Electric Vehicle Infrastructure(NEVI)Formula Program)」に基づき、全米のEV充電ネットワーク構築に約50億ドルを支出すると発表した。

都市部の集合住宅で家庭用充電器を設置できなかったり、設置する経済的余裕がないEVオーナーにとって、状況はより深刻だ。こうした中、サンフランシスコ本拠の充電ネットワーク「Volta」は今年1月、この問題の解決を支援するプログラムを発表した。

「我々は、Charging for Allイニシアチブの一環として、インフラ計画プラットフォームであるPredictEVの拡張版をリリースした。連邦政府が推進するJustice40イニシアチブに基づき、不利な状況に置かれたコミュニティ向けにEVインフラ計画を構築できるよう、様々な事業者を支援していく方針だ」と同社は声明の中で述べた。

Justice40イニシアチブは、昨年7月にインフラ投資雇用法(IIJA)の一環として発表され、環境やクリーンエネルギーに対する連邦政府の投資から得られる利益の40%を不利な立場にあるコミュニティに還元することを求めている。

PredictEVは、必要な充電インフラとその設置時期を特定し、連邦政府による助成金の申請期限である8月1日までに各州が設置計画を提出するのを支援する。PredictEVは、AIを使って人口動態やドライバーの行動、モビリティの交通パターンを分析し、Voltaの充電ステーションを設置する最適な立地を特定することができる。

「Voltaは、行動科学に基づいたモデルを構築し、ドライバーの行動に合わせて充電ステーションの設置場所を特定することを可能にした」と、Voltaの政策・環境戦略の責任者で、オバマ政権で環境政策のアドバイザーを務めたKevin Samyは話す。

「高速のDC(直流)充電器の設置競争はソリューションになり得ない。電力供給の観点から、全ての街角に高速DC充電ステーションを設置するのは理に適っていない。我々は、パートナーに対して全てを組み合わせたソリューションを提供すると説明している」とSamyは言う。

4月には、ミシガン州のOffice of Future Mobility and Electrification(OFME)とエネルギー企業DTE Energy(DTE)が、VoltaのPredictEVを用いて充電ステーションが未整備の地域で最適な設置場所を特定し、公共投資の効率活用を図ることを決めた。

「規模や所得水準に関係なく、ミシガン州の全てのコミュニティに真の価値と機会を提供できたとき、我々のモビリティ・エコシステムは最大の効果を発揮する。VoltaとDTEによる、EV充電ステーションのアクセス性と公平性を向上させる取組みを支援できることを嬉しく思う。このことは、州全体でEVエコシステムを構築する上で重要なステップだ」とOFMEのチーフ・モビリティ・オフィサーであるTrevor Pawlは声明の中で述べた。
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編集=上田裕資

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