経済・社会

2022.06.27 17:00

抑圧的政策とコスト上昇により、日本と欧米企業の中国離れが加速

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中国政府は現状に気づいているのだろうか?中国の抑圧的な政策とコスト上昇を背景に、日本と欧米は、同国との経済的関係を見直し始めている。元通りにしたいなら、中国政府は大幅に変わらなくてはならない。だが、そんな変化は起こりそうにないし、そもそも不可能かもしれない。

米国、欧州、日本の関係者は、揃って中国への反感をにじませる。米国議会は中国への投資と、とりわけ中国からの原材料調達を制限する法案を可決する見込みだが、この法律はむしろ現状を後追いするものだ。

議会が動くよりずっと前から、ほぼすべての企業が、中国との関係の将来性に懸念を示してきた。中国に進出した欧州企業で構成され、商工会議所に相当する「中国欧盟商会」のヨルグ・ウケッテ(Joerg Wuttke)会長は最近この問題について、「中国は原材料調達の最適地という評判を失いつつある」と述べた。

外国企業は例外なく、従来のサプライチェーン契約を見直すことに意欲的だ。中国での事業から撤退した企業はまだ多くないが、どの企業も、新たな投資先の転換を検討している。対象は、他のアジアの新興国の場合もあれば、国内の場合もある。

最新の動向に直近で強く影響を与えた要因は、中国政府のゼロコロナ政策に起因する、ロックダウンと隔離だ。厳格な施行により、中国での生産は困難かつ高コストになり、とりわけ国内外への物資輸送が打撃を受けた。

ウケッテ会長が率いるグループが最近おこなった調査によれば、中国で事業をおこなう欧米企業の60%は2022年、売上の減少を予想している。約半数の企業は、中国政府の政策が、必要不可欠な素材や、完成した製品の輸送を大きく阻害したと答えた。回答した企業の77%は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する中国の対応だけから判断しても、中国は投資先として魅力を失ったとしている(「若干」と「かなり」を含む回答)。

メディアで報じられる中国離れの裏には、より本質的な問題が潜んでいる。中国が、特許や著作権に対して誠実なアプローチをとってこなかったことだ。

中国で事業を行う外国企業は長年にわたり、現地の提携企業と、技術面および貿易面で機密情報を共有しなければならないという、中国政府の強固な方針に不満を抱いてきた。こうした企業はまた、「パートナー」以外の中国政府のエージェントが公然とおこなう産業スパイ活動にも非難の声をあげてきた。

大半の企業は、米国企業ならワシントンに、欧州企業ならブリュッセル(EU本部)という形で、それぞれの政府に対応を求めた。しかし反応は鈍かった。

中国政府が2020年1月、当時の米トランプ政権と、貿易協定のフェーズ1に署名した時には、この問題の解決に向けた進展が期待された。

中国政府は、外国企業が特許侵害に関する不服申立てを行う際の手続きを簡素化すると約束した。しかしその後、中国政府には問題解決にコミットする気がないことが明らかになった。それどころか、中国の裁判所は最近、中国企業に対してこのような訴えを起こすことは、世界のどこであれ認められないという決定を下した。
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翻訳=的場知之/ガリレオ

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