Zoomのプラットフォーム化を加速させる「Zoom Apps SDK」発表

(c)Zoom


現在のところ、私はZoom自身によるZoomアプリ体験への取り組みが気に入っている。Zoom Appsの発表時に、Zoom Apps SDKを発表することもできたはずだ。最初の100個のZoom AppをZoomが自身でコントロールし、その後にデベロッパーに公開するという決断は戦略的なものだった。これにより、ZoomはSDKに含まれるべきものを明確にすることができ、開発者は最初の100のアプリケーションをもとに、Zoomを使ったアプリケーションがどのようなものであるかを知ることができた。Zoomは、コアとなるビデオ体験を複雑にしないやり方で、アプリを組み込むことができることを、開発者に証明しなければならなかったのだ。

Zoom Apps SDKは、開発者がクライアントの機能にアクセスできるようにするJavaScriptで書かれたSDKだ。Zoom Apps SDKを通して、開発者はAPIやWebhooks、AI/MLユースケースで使われるミーティングSDK、開発者リソース、ISVパートナーシップにアクセスすることができる。これにより、開発者にとって、Zoomのためのインタラクティブなアプリを作る余地が大きくなった。AIと並行して識別子を使い、インタラクティブな体験を実現するアプリが出現することに興味がある。

こうしたアプリケーションは、ビデオ通話ソリューションに追加される小さな機能に見えるかもしれないが、Zoomプラットフォームをアプリのやりとりの中心媒体にしたエコシステムを作り出すことができる。例えば、学校ではZoom通話を使ってオンラインテストを実施できる。外部を組織を通すのではなく、Zoomのプラットフォームを通じてAIアプリでテストを進行するのだ。同様に、ビジネスでは、ワークフローを自動化したり、ビデオ通話の外部で使用されるものと同じアプリを使用して、通話内のすべてのユーザーに同一サービスを利用してもらったりできる。これは時間の節約にもなり、効率的だ。

Zoom連携アプリマーケットプレイス


また、Zoomはユーザーがマーケットプレイス内でアプリを検索できるようにすることで、アプリマーケットプレイス内でのアプリの発見を容易にしている。Zoomでは、利用可能なアプリの一覧とアプリの詳細を提供し、会議中に追加できるようにするという。これは企業内、学校内、気軽な通話といったさまざまなユースケースで役立つだろう。例えば、何気ない2人の通話の最中に、アプリマーケットプレイスでゲームを検索し、適切なゲームを見つけることで、対戦型のゲームセッションが始まるかもしれない。
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翻訳=酒匂寛

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