エグゼクティブも学ぶNY式雑談術。コツは「ポーカーのアイコンタクト」だった

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岡本純子氏。エグゼクティブ・スピーチコーチにして、コミュニケーション戦略研究家である。自著に15万部のヒットセラー『世界最高の話し方』(東洋経済新報社)があり、1000人以上の社長や企業幹部の話し方を変革した「伝説の家庭教師」でもある氏が、今度は『世界最高の雑談力』を書き下ろした。

「すべての会話」が成功する「人生最強の武器」、仕事も、プライベートもうまくいくというその神メソッドは一体どんなものなのか。かつて渡米し、コミュニケーション修業を積んだ彼女のNY式雑談術が書かれた同書から抜粋して紹介する。


ポーカーチャンピオンに学ぶアイコンタクト


ある日本の製薬会社の調査によると、全体のほぼ半数の49.4%の人が、「人の目を見て話すことが苦手」と答えたそうです。

日本人のコミュニケーションの苦手意識と相関関係がありそうですね。

目と目を合わせる「アイコンタクト」は心と心をつなぐ「強力な接着剤」。

雑談をうまくすすめようと思ったら、これをうまく活用しない手はありません。

この秘訣を最後に解説しておきましょう。

アイコンタクトの重要性について、私がじっくり学んだのは、ポーカーの元チャンピオンが主宰する、ニューヨークの「ボディランゲージスクール」でした。

たしかに、ポーカーで相手の心を読むのに、視線は重要なサインになりますよね。

「3-50-70-90」の法則


「アイコンタクト」が大切なのは、目線を交わすと脳波が同期し、心がつながりやすくなるからです。

日本のエグゼクティブでも、この正しい方法を知らず、戸惑う人が多いのですが、簡単に覚えていただくために 「3─50─70─90」 とお教えしています。

3】1回のアイコンタクトの時間は3秒程度

【50】自分が話しているときは、50%ぐらいの時間は相手を見る

【70】相手の話を聞いているときは、70%ぐらい相手を見る

【90】リモートの会話では、90%の時間は相手の目を見る

という意味です。

離れていても繋ぐ、繋げる


とくにリモートでの会話ではアイコンタクトが大切なのですが、そもそも日本では「カメラオフ」という会議が非常に多すぎる気がします。

外資系企業や海外の人との会議では、圧倒的に「ビデオあり」が多く、その差は歴然。「しっかりと目線を交わし、対話をしよう」という考えなのです。

もちろん、すべてオンにする必要はありませんが、大切な会議や学びの場では「顔を見せて、視線を交わす」のが、世界の常識です。

パソコン画面上の自分や相手の姿を見てしまうと視線がそれてしまうので、相手が「目が合っている」と感じられるように、しっかりとカメラを見ましょう。

カメラの位置を自分の目線に合わせ、相手を見下ろしたり、見上げたりする形にならないように気をつけてくださいね。


『世界最高の雑談力』(東洋経済新報社)

岡本純子◎グローコム代表取締役社長、米MIT比較メディア学元客員研究員。読売新聞社経済部記者時代、孫正義ソフトバンク社長など世界の経済人、政治家を多数取材する。その後NYでコミュニケーション術を学び、帰国後は1000人を超えるエグゼクティブに話し方をコーチング、「伝説の家庭教師」の異名をとる。11刷、累計15万部のベストセラーとなった著書『世界最高の話し方』の続編、『世界最高の雑談力』(東洋経済新報社刊)を6月に上梓。

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