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2022.07.06

ゼロから大きなイチを生み出したい──未来志向のサービスデザイナーが事業創造で描くユートピア

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「新規事業創出といえばベンチャー」というイメージは、もはや過去のもの。

不確実性の時代、新たな収益の柱をつくるために、大企業でも新規事業の立ち上げに取り組むケースが目立っている。こうした大企業の新規事業創出を支援するのが、デザインコンサルティングファームのNEWh(ニュー)だ。

事業創出というのはゼロからイチを生み出す作業だが、NEWhの中でもとりわけ「ゼロイチが好き」を公言してはばからないのが、サービスデザイナーの酒井林太郎だ。

酒井のキャリアを振り返ると、常に新しいことに挑戦し、自分のキャパシティーを広げてきたことが分かる。また、自らが生み出すだけでなく、新しいものが生み出される瞬間を見届けることや、その手助けをすることにも強い思いを持っていると、酒井は言う。

そういう意味では、NEWhにおける大企業の新規事業創出支援は、酒井にとって天職といえるかもしれない。しかし一方で、まだ大きな課題があるとも語る。

彼はこれまでのキャリアで何を身に付けてきたのか、そしてこれからどんな挑戦をしたいのか。その思いに迫りたい。

構造化や論理的なアウトプットを学んだ、CM制作会社時代


ゼロイチ、すなわち無から有をつくり出す酒井の原点は、2000年代半ばの学生時代にまでさかのぼる。当時の彼は、美大のグラフィックデザイン学科で学んでいた。

2000年代半ば、もっと絞れば2005年という年は、YouTubeがスタートしたタイミングだ。クリエイティブの舞台として、ウェブが台頭しはじめた時期だと言っていい。

奇しくもその2005年に大学を卒業した酒井は、就職先にCM制作会社を選んだ。

「学生時代には映像制作もやっていましたが、CMがつくりたかったわけではありません。その会社はデジタル部門があったので、当時、最先端のツールを使って、ウェブ広告の世界を経験したいという気持ちがあったんです。

2000年代半ばのウェブはまだまだ混沌としていて、面白いことをやった者勝ちのような状態でした。サイトやアプリの制作はもちろん、Flashでゲームをつくったこともあります」

この時期に広く浅く手を動かし続けた酒井が、後につながる経験として特に大きかったと述懐するのが、プレゼンテーションを担当したことだ。

「広告代理店の担当者がクライアントにプロモーションのプレゼンをする際、ウェブについて分かる人間がいないというので、デジタル領域の仕事をメインに手掛けていた私に白羽の矢が立ったのです。
 
現在のサービスデザイナーの仕事は、例えば収益モデルや持続戦略など、ビジネスを構造化して考える必要があります。ウェブコンテンツの制作は、さまざまな情報をどこに入れ込み、どんな風に見せていくのか、まさに情報を構造化する作業ですし、プレゼン資料の作成やスピーカーを担当したことで、論理的なアウトプットも鍛えられたと思います」

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事業をつくり出したいと、デジタルファームへ


CM制作会社で5年間の経験を積んだ酒井は、より広告に特化した環境を見てみたいとの思いで、クリエイティブエージェンシーへと転職する。

「この会社は、社員各自に大きな権限が与えられていて、クライアント企業の部長クラスと直接話をしたうえで、最終的な判断を自分でできる環境でした」

酒井は同社で、プロデューサー兼プランナーとして活動し、最終的には役員も経験。
ゼロイチを好む酒井にとって、刺激のある環境だったことは想像に難くない。しかし、年数を経るなかで、酒井の中に新しい思いがふつふつと湧き上がる。

「確かに刺激はあったし、仕事のキャパも広がりました。でも、広告はすでにある商品やサービスを売るためのものなので、正確にはゼロイチではないんですね。

広告をゼロイチの視点で捉え直すと、そもそもこの商品って必要なのかな、という発想にたどり着く。それで、プロダクトやサービスをつくる側に行きたいと思いました」

酒井が転職先に選んだのは、博報堂傘下のデジタルファーム、WHITEだ。WHITEの代表を務めていた神谷憲司は、酒井のCM制作会社時代の上司であり、前職のクリエイティブエージェンシーでも仕事上の付き合いがあった。広告ではなく事業をつくり出したいという酒井の思いを耳にした神谷が、酒井をWHITEへ誘ったのだ。

WHITEに移ってからの酒井は、VRやスマートスピーカーの自社コンテンツ制作を手掛けるが、後にWHITEがスタートさせる新規事業創出支援にも携わるようになる。そのベースとなったのが、博報堂DYグループが主催するビジネスコンペ「AD+VENTURE(アドベンチャー)」だ。

「スタートアッププログラムなので大企業の新規事業とはやや違いますが、WHITEが新規事業創出支援をスタートさせる前に、事業創出のフローや事業計画の作り方など、基本的なノウハウを学ぶことができ、役立ちました」

とはいえ、ビジネスコンペを通して起業のプロセスを一通り学んだ程度で、新規事業の支援はそう簡単に上手くいくわけではない。当時のWHITEでは事業化までたどり着く案件はまだ少なく、VRやスマートスピーカーなどの自社事業も伸び悩んでいた。結果、WHITEは解散を余儀なくされる。

ディストピアを想像することで、ユートピアを想像できる


「手前みそですが、WHITEにはそれぞれ高いスキルを持ったメンバーが揃っていました。事業化できた案件は多くはありませんが、だからこそ継続したかったし、必ず結果が出ると信じていました」

そう考えていたのは酒井だけではなかった。酒井を含むWHITEの一部メンバーが創業を担う形で、NEWhが立ち上がる。ただ、新規事業創出支援のフローについては、WHITE時代の手法から大幅な見直しが図られた。

「WHITEでは、先にサービスの詳細を決めてからビジネスとして成り立つかどうかを検証していました。しかしそれでは後で両者の整合性が取れないことがあり、効率が悪い。そのためNEWhでは最初からサービスデザイナーとビジネスデザイナーが連携し、サービスとビジネスの両面で事業創出を考えるようになりました」

検討にあたっては、様々な調査や収支の検討が必要だが、酒井がサービスを考える際にとりわけ重視しているのは、定性インタビューと未来予測だという。

「NEWhのインタビューは、スクリプトは事前にしっかり準備しますが、内容に応じて臨機応変に進めます。聞き漏らしのないよう、二人1組で連携しながら実施するため、効率的に精度の高い聞き取りができます」

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未来予測については、彼独自の視点で話してくれた。

「SF小説が好きなんです。ちょっとした条件が変わるだけで、まったく違う社会が生まれるところがSFの面白さ。特にディストピア(反理想郷)ものに惹かれます(笑)。

事業創出の仕事でも、よくディストピアを想像します。ディストピアを思い描くことで未来をシミュレーションしやすくなります。ではそうならないようにどうするかを指向し、自分たちが選び取りたい未来を想像できるようになるからです」

ゼロイチの確率を高め、イチのインパクトをもっと大きく


酒井がNEWhで担当した案件を尋ねると、二つの事例を紹介してくれた。一つ目は、公共入札による大規模なインキュベーション施設だ。

「NEWhは、コンセプトワークや体験設計の部分で支援しましたが、設計する範囲が大規模であるため、事業運営を行なう企業の社員の方が自走でき、ユーザーを中心とした体験設計ができるような道筋を示せるように心掛けました」

このあたりは、CM制作会社やクリエイティブエージェンシーで鍛えられたという構造化や論理的なアウトプットが役立っているのだろう。

そして二つ目は、ある企業の新規事業創出のための社内研修プログラムだ。

「社員の方々が自分たちで新規事業を考え、上層部にプレゼンできるようになることを目標に、全14回のプログラムを提供しました。実践型のワークショップ形式で、NEWhが実際に活用している独自のバリューデザインシンタックスをはじめ、ノウハウを惜しみなく公開しています」

いずれの事例も、酒井は話に熱を込めた。クライアントのゼロイチを支援することで、新しいものが生み出される瞬間を、胸をときめかせながら待っているようにも思える。

最後に、これから酒井が目指すものを聞いた。

「やり残している大きな課題があります。それは、自分が携わった新規事業がまだまだ物足りないこと。社会実装に至らない案件もありますし、事業化できたとしても、社会を変えるようなインパクトを生んでいない。

まずはゼロからイチを生む確率を高めることと、イチのインパクトをもっともっと大きくすること。これを目指していきたいですね」

酒井が自分で納得するようなインパクトを持った事業が生まれたとき、この社会にどんなユートピアが出現するのだろうか。その瞬間を、楽しみに待ちたいものだ。

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Promoted by NEWh | text by Manabu Yamaguchi | photographs by Shunichi Oda | edit by Mayumi Okashiwa

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