かつてNYで自らコミュニケーション修業を積み、体得した「雑談術」が披瀝された同書から抜粋して紹介する。「伝説の家庭教師」が伝授する「人生最強の武器」、雑談術とは一体どんなものなのか。
「話八分目」、相手の言葉を引き出す会話術
雑談では、ただ話しているだけでも聞いているだけでもダメ。開始から5分以内に、必ず、「どんな」「どう」「どこ」など「ど」の質問をするのが鉄板ルールになります。
とはいえ、こちらから質問攻めにしては、相手に威圧感を与えてしまいますよね。「ど」真ん中の直球質問を立て続けに投げてばかりでは、話が一方的になり、続けにくいものです。
なので「変化球」を交ぜ、上手にキャッチボールをしていきましょう。
ハーバード・ビジネス・スクールの研究によると、質問の種類は次の「4つのモード」に分けられるそうです
1.「調子はどうですか?」「元気ですか?」などの「導入質問」
2.言われたことと同じ内容をオウム返しで聞く「聞き返し質問」
3.相手の答えをさらに深掘りする「フォローアップ質問」
4.話題を変える「ギアチェンジ質問」
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あなた
どんな趣味をお持ちなんですか?(導入質問)
相 手
温泉マニアなんですよ。
あなた
へえ、温泉なんですか。(聞き返し質問)
いいですよね〜。どの温泉がおすすめですか?(フォローアップ質問)
相 手
私はぬるくて、トロトロという「ヌルトロ湯」が大好きなんですが、鹿児島の紫尾温泉って、よかったですねえ。なんと神社の地下から湧き出ているから、「神の湯」って言われるんですよ。
あなた
「神の湯!」それは、身体によさそう! どうやって情報収集するんですか。(ギアチェンジ質問)
相 手
ひたすら検索ですね。あとは旅好きな人の口コミも。
あなた
旅といえば、この前私も……。(自分の話)
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どうですか?
これなら、永遠に続けられそうですよね。
こんな具合に「球種」を少しずつ変えながら、質問攻めにならない程度に、
「質問→聞く→質問→聞く→時々自分の話をする」というサイクルを回す。
話す量を、話したい量の8割ぐらいに押しとどめる 「話八分目」 で、
結果的に、話す量が「相手6:自分4」ぐらいという格好で収められれば大成功。
私のまわりの優秀な社長や政治家は、みなさんこれが上手にできています。