コロナ後遺症、子どもも3人に1人が経験

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新型コロナウイルスに感染したデンマークの子どものうち、およそ3人に1人は症状が長引いていることが、22日に医学誌「Lancet Child and Adolescent Health」で発表された調査研究で明らかになった。新型コロナは、年齢にかかわらず後遺症が長く残る可能性があることがわかってきている。

新型コロナにかかったデンマークの子ども約1万1000人と、かかっていない3万3000人あまりを比較して調べたところ、少なくとも1つの症状が2カ月超続いた子どもは、新型コロナと診断された0〜3歳児で約4割にのぼった。新型コロナにかかっていない0〜3歳児では27%だった。

新型コロナの罹患歴がある4〜11歳の子どもでも38%は症状が長引いており、比率は罹患歴のない子どもの34%より高かった。よくみられる後遺症としては発疹や気分障害などが挙げられる。

一方で、新型コロナにかかった子どもはかかっていない子どもに比べて、精神的な問題や社会的な問題を抱えることが少ないことも判明した。研究チームは、未感染の子どもほど感染を心配したり、感染を避けるために日常生活が制約されがちだったりするからではないかと推測している。

論文の筆頭著者であるコペンハーゲン大学病院のセリナ・キッケンボー・ベルグ教授は、調査結果について、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)やそれにともなう学校閉鎖、ロックダウンが「若い人たちの生活のあらゆる側面」に影響を及ぼしたことをあらためて示したと指摘。新型コロナの長期的な影響についてはさらに研究を進める必要があるとしている。

最初の感染から胃腸や心臓、認知などの不調が数カ月ないし数年続くいわゆる「長期コロナ」の研究は、これまでは主に大人や青年を対象に行われてきた。今回の研究は、幼い子どもを対象としたものとしては過去最大規模。

米疾病対策センター(CDC)によると、米国では今年2月までに17歳以下の子どもの約75%が新型コロナにかかったと推定される。昨年12月時点では約45%だった。

編集=江戸伸禎

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