物価上昇率が41年ぶりの高さを記録するなか、FRBは先週開いた会合で、1994年以来となる0.75ポイントの大幅利上げを決定。パウエルは来月の次回会合でも同様の大幅利上げに踏み切る可能性が高いと示唆している。
この日、金融政策に関する半年に1度の議会証言に臨んだパウエルは、今後のインフレ対策の進め方などについて議員たちから質問を浴びた。
パウエルは「物価の安定を取り戻すために必要な措置を断固として講じていく」と表明。利上げに関しては「経済データに機敏に反応し、会合ごとに決定していく」と説明した。高インフレが続けば、予想を上回る急ピッチの利上げもいとわない姿勢を示した。
パウエルは「インフレを抑え込むことは不可欠だ」と強調。物価上昇率が長期目標の2%に落ち着いていく「説得力のある証拠」が見いだせるまで、「現行の利上げは適切だろう」との認識も示した。
インフレ高進の理由については「ロシアのウクライナ侵攻よる原油やその他の商品の急騰がガソリンなど燃料の価格を押し上げ、いちだんの物価上昇圧力をもたらしている」と説明。中国での新型コロナウイルス感染症対策のロックダウンは「供給網の混乱をさらに悪化させる可能性が高い」とも言及した。
パウエルは、すでに「並外れて困難な」時期にあるとし、そのなかで不確実性がさらに増さないようFRBは努力していくと語った。
一方、米経済については引き続き「非常に強く、金融政策の引き締めにうまく対処できる状況にある」との見方も示した。