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2022.06.26 10:00

韓国の旅行スタートアップ「ヤノルジャ」創業者がビリオネアに

Getty Images

コロナ禍で打撃を受けたホテルや旅行業界に回復の兆しが見える中、韓国の宿泊予約プラットフォームの「ヤノルジャ(Yanolja)」がIPOに向け、好調な第1四半期決算を発表した。

同社が5月末に発表した報告書には、創業者でCEOのイ・スジン(Lee Su-jin)の持株比率が記載されており、創業者のイがビリオネアになったことが明らかになった。

2月に44歳になったイは、Yanolja株の16.54%を保有する第2位の株主だ。彼の妻と2人の娘は、それぞれ5.18%を保有している。同社の筆頭株主はソフトバンクのビジョンファンド2で、昨年7月に17億ドルを出資して25.23%の株式を取得していた。このラウンドでの評価額の67億ドルをもとにフォーブスが算出したイと彼の家族が保有する株式の価値は、約20億ドル(約2688億円)となる(フォーブスは、非公開企業の価値を10%ディスカウントして算出している)。

Yanoljaの設立は2005年で、社名は韓国語で「遊ぼう」を意味する。同社は、短期滞在型ホテルの予約から交通機関の予約に事業を拡大し、最近ではホテルや旅行会社のデジタル化を支援するクラウドソフトウェアの提供を始めた。同社の発表によると、第1四半期の売上高は前年同期比19%増の1005億ウォン(約107億円)で、純利益は88億ウォン(約9.4億円)と、前年実績の90億ウォンからわずかに減少した。

Yanoljaの主な収益源は、予約の仲介手数料や、ホテルや旅行会社から得るプラットフォームへの広告掲載料となっている。最近では、ホテル向けの予約管理システムや、顧客行動を予測するビッグデータ分析などのクラウド事業の売上が拡大している。クラウド事業の売上構成比は、2021年通期が8.5%だったが、第1四半期には20.5%に増加した。

同社が公表した四半期報告書には、パンデミックによってレジャー業界で非対面型のデジタルサービスが普及していることや、コスト削減と効率化のためにソフトウェアを利用するホテルが増加していることが記載されていた。
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編集=上田裕資

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