清水氏に、その「CA Media」の登録者でもある外資系エアラインCAへの取材も含め、外資・日系エアラインの「常識差」「慣習差」「営業規定差」などを紹介していただいた。
日系・外資、サービスの違い
CAと一言で言っても、航空会社によってサービスの内容も就業規則も様々。
特に日系エアラインと外資系エアライン(航空会社によって様々ではありますが)では違いが大きく、乗客として飛行機に乗ったときや、CA同士で話をしているときなどに、驚くことがたくさんあります。
ここではその一部をご紹介いたします。
旅行をするとき、CAを目指して就職活動をするときにも、知っていると少し役立つことがあるかもしれません。
・日系エアラインには赤ちゃん用のシートベルトがない
JAL、ANAは基本的に大人がシートベルトをした「上から」赤ちゃんを抱っこするという規程ですが、外資系エアラインでは大人用のシートベルトに装着する、「赤ちゃん用のシートベルト」が用意されている航空会社もあります(全ての外資系エアラインでそのようなサービスがあるわけではなく、外資の中でも一部の航空会社のみのようです)。
赤ちゃん用シートベルトのあるエアライン勤務の友人は、日系エアラインに乗った際、赤ちゃんがシートベルトをしていないのを見て、思わずCAに合図をしてしまったそう。
赤ちゃん用のシートベルトがないと聞き、驚いたそうです。
・日系は2歳未満の赤ちゃんがほとんどチャイルドシートを使用していない
外資だと長距離路線だと2歳未満の赤ちゃんも小児料金で1席購入して、赤ちゃんのチャイルドシートを席に取り付けてるお客様がほとんどだそう。
もっと小さい赤ちゃんは、バシネット(飛行機の座席の前に設置された、赤ちゃん用簡易ベッド)を利用するケースも。また、短距離(2時間未満)のフライトの場合は、保護者に抱っこされていることも多いようです。
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外資系エアラインの友人は、日系では、ほとんどの赤ちゃんが抱っこで、チャイルドシートを見かけないので、日系にはチャイルドシートのサービスがないのかな?と疑問に思ったそうです。
日系でもチャイルドシートの貸し出しサービスはあるのですが、2歳未満で1席購入するケースが少なく、筆者も、利用しているケースはほとんど見たことがありません。
日本人は体が小さいから、長時間抱っこで同じ席にいても狭い感じがしないからでしょうか? あるいは、小さいのに、1席分購入するのをもったいないと思う、その経済感覚からでしょうか?
・ペットを機内に連れ込める
日系エアラインだとペットは貨物室で預かることになりますが(盲導犬は機内OK)、外資はペットOKの航空会社も。
犬も猫も座席下に収まる大きさの犬猫バッグに入っていれば、機内に連れ込んでOKとのこと。ペットがいない便はほぼないくらい、ペットの搭乗率が高いそうです(某米系航空会社の場合)。
・日系は赤ちゃん連れのお客様へのサービスが手厚い
外資では車椅子のお客様へのアシストのみで、赤ちゃん連れのお客様へのアシストはほとんどないという航空会社も。
一方の日系エアラインでは、赤ちゃん連れのお客様に機内でミルクを作ったり、オムツを用意してくださったり、事前改札サービスで優先搭乗できたり、という手厚いアシストがあることに、外資CAの友人は驚いたそうです。
・外資の機内食はベジタリアンなど多様な食の嗜好に対応している
一般的にアレルギー対応食や宗教食、ベジタリアンミールなどのスペシャルミールは事前のリクエストを受けてその数の分だけ搭載されるシステムです。
しかしアメリカでは、ベジタリアンやグルテンフリーの方が近年増えているため、国際線の機内食には必ずお肉なしのチョイスが1つは入っているそうです。そのため、事前にリクエストしなくてもベジタリアン対応のミールを食べることができるのだそうです。
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短距離でも長距離でも無料のサービススナックも幅広く対応できるように、4種類から選ぶことができるそうです。
例えですが、
プレッツェル、アーモンド、グラノーラバー、クッキーなど。
日系エアラインの国際線に搭乗した際、、事前にリクエストしないと基本のお肉かお魚のチョイスだけになってしまうというところに、外資CAの友人は驚いたそうです。
日系はきめ細やかさ、丁寧さを重視、外資は多様性や柔軟性を重視と、ここでも個性の違いが感じられます。