同社の価値観の中核をなすのは、豆から抽出までのすべてにおけるサステナビリティ(持続可能性)だ。注文を受けた1杯ずつをすべて、カーボンポジティブに(CO2の排出量より吸収量が多い状態で)提供している。また、扱うコーヒー豆はすべて、世界中のサステナブルな農園から、フェアトレード以上の価格で購入したものだ。
パンデミックによるロックダウン(都市封鎖)が実施されるなかで、ロンドンを拠点とするグラインドは、そのビジネスモデルの主体を消費者への直接販売(DTC)と、サステナブルなコーヒーの販売に転換した。
同社のコーヒーポッドは、有害な、リサイクル不可能な他社の製品とは異なる。100%オーガニックで、生分解性の素材を使用、プラスチックフリーで、「家庭での堆肥化が可能と認定」された英国初の(そして現時点では唯一の)コーヒーポッドだ。
この認定は、「グリーンな企業」として同社の信頼性を、一段と高めることになった。エイブラハモヴィッチはこのコーヒーポッドについて、「分解されるまでに何百年もかかるプラスチック製やアルミ製のポッドとは違う」と述べている。
家庭用コンポストでごく短い間に分解されるほか、生ゴミとして廃棄することも可能であり、「最悪の事態が起きた場合」、つまりごみ廃棄場に送られたり、海に流出したりした場合でも、その環境下で分解されるという。
「グリーンな企業」に必要なものとは
当然のことながら、サステナビリティは製品のライフサイクル全体において必要なものであり、単に人目を引くためのPR活動の一環であってはならない。パッケージにとどまらず、製品全体がサステナブルでなくてはならず、そのサイクルは消費者の目にも、透明性あるものでなくてはならない。