これは、eスポーツの話だ。米本社のライアットゲームズが開発・運営するFPSゲーム「VALORANT(ヴァロラント)」の国際大会「2022 VALORANT Champions Tour Stage 1 Masters」で、北アメリカチームの「OpTic Gaming」が僅差で優勝を手にした。
FPSとは、First-person shooterの略で、プレイヤーが操作するキャラクター本人の視点で移動しながら、銃などの武器を用いて戦うゲームのこと。日本では「APEX」などが人気タイトルとして知られている。
決勝戦はさておき、この大会で注目すべきは、日本代表チーム「ZETA DIVISION」が世界3位に輝いたことだ。さらに、試合をめぐって巻き起こった熱狂はこれまでにないもので、Twitterでも関連ワードが多数トレンド入り。日本代表チームを応援するハッシュタグ「#ZETAWIN」は、世界トレンドの1位にもランクインした。
日本のeスポーツは潮目が変わったのか。世界と比較した日本の現状とは。
6月25、26日にはさいたまスーパーアリーナで開催される国内最大規模のオフラインイベント「2022 VALORANT Champions Tour Challengers Japan Stage2」を前に、ゲムトレ代表の小幡和輝が、ライアットゲームズ日本法人CEOの藤本恭史(ふじもと・やすし)に話を聞いた。
「VALORANT」という成長機会
──日本で人気のFPSというと「APEX」や「PUBG」などが思い浮かぶ人が多いと思いますが、「VALORANT」はこれらのタイトルとどう違うのでしょうか。この1年ほどで爆発的な人気を博したように感じていますが、それは意識的に仕掛けられたものだったのでしょうか?
「VALORANT」(2020年提供開始)は、近未来の地球を舞台にキャラクターを操作して銃撃戦を行う、我々ライアットゲームズが初めて手がけたFPSゲームです。
競技シーン(eスポーツ)を意識してつくられた、ちょっと“尖った”ゲームでして、たくさんの方に気楽に楽しんでもらうというより、このゲームを通じてプレイヤーの方々に技能や知識を高めてもらうタイプのもの。なので、求められる技能やスキルセットも他のゲームとは異なっています。
例えば、より厳密な操作性があり、5対5でのチーム戦なので、プレイヤー同志のコミュニケーションや瞬時の連携、攻撃・サポート・索敵などの役割分担が重要になってくるわけです。
「成長機会」というとおこがましいかもしれませんが、プレイヤーの方々が、今までのゲームとは違う能力を開発できたり、技能を伸ばせたりという新しい興奮をつくることができた。「VALORANT」はゲームトレンドをひとつ変えることができたのではないかと感じています。