eスポーツの現在地 グローバルトレンドと日本の差

ライアットゲームズ(日本法人)社長/CEO 藤本恭史


ゲームがプレイヤー自身の能力開発になるという考え方は面白くて、ゲームを「隙間時間を埋めるもの」として見るのか、それとも将棋やチェスのように、メンタルの成長も含めて自分自身の能力開発のツールとして見るのか。捉え方によって、ゲームをプレイした人が受け取るものは全く違ってくるはずです。


ライアットゲームズ(日本法人)社長/CEO 藤本恭史 

ある研究によると、プロゲーマーに目の動きを追うトラックボールをつけて解析すると、サッカーの選手がピッチで行うよりも遥かに多い情報量を瞬時に処理しているそうです。eスポーツの試合は「ただのゲーム大会」などではなくて、とても高度な技能とチームワークを持った人たちが、プロとして戦う場なんだということを、より多くの方に知ってもらいたい。

リアルスポーツとeスポーツのどちらが上とかしたとかそういうことではなくて、フラットにどちらも同じスポーツとして見てもらいたい。

そんなプロの世界で、世界各国・地域の12チームが集結する中で、日本チームが世界3位になったというのはとんでもない快挙です。それを成し遂げた選手たちの素顔を、虚像ではなくリアルな姿として伝えていく。業界全体のそういった取り組みも必要になってくるのではと思います。

こうしたゲームにおける「スポーツ」としての能力開発の側面が、正しく世の中に理解されてくれば、少しずつ変わっていくのではないでしょうか。


藤本恭史(ふじもと・やすし)◎ ライアットゲームズ(日本法人)社長/CEO。国内IT企業でのフィールドエンジニア職を経て、1998年マイクロソフトに入社。業務執行役員、Windows本部長およびセントラルマーケティング本部長、また2015年からはペイパルでマーケティング統括などを歴任し、2018年パブリッシング統括ディレクターとしてライアットゲームズに入社。2022年2月より現職。

小幡和輝(おばた・かずき)◎ 1994年生まれ。ゲムトレ代表。約10年の不登校の後、ゲームで救われた経験から高校3年生で起業。ゲームを通して脳と心を鍛え、コミュニケーション能力を向上させることなどを目的に、「習い事」としてのオンラインゲーム家庭教師のサービス「ゲムトレ」を主宰する。著書に『学校は行かなくてもいい』『ゲームは人生の役に立つ』『子ども稼ぐ力』などがある。

聞き手=小幡和輝(ゲムトレ代表) 構成=松崎美和子 写真=小田駿一

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