「ダイバーシティ(多様性)というが、そのためには障害の有無に関係なく、他者が見ている景色を見るようにお互いに視点を変えて考えられることが大切だ」と語ったのは、デコボコベースの松井副社長だ。デコボコベースは、放課後等デイサービス事業や18歳以上の障害のある方の就職支援などを行っている。
松井副社長は対談のなかで、「支援でのこだわりとしては、多数派に寄らないことです。社会はこうだからということには寄らないように、かといって少数派にも寄らず、学校や幼稚園企業との間に立ち、しっかり通訳することがインクルーシブにつながっていくと考え、大切にしています」と語った。
今回、首都圏を中心とした2つのイベントで感じたのは、まだまだ地方ではこのようなインクルーシブな取組みや病気や障害のある子どもの親の就労問題に関して、進んでいないという感想も持った。
実際、私の住む大阪の自治体では、放課後デイサービスが医療的ケア児を受け入れても独自の加算はないし、電車に「子育て応援スペース」も存在しない。「インクルーシブ」という言葉もそんなに浸透していないようにも思う。
声を上げることの大切さや、スモールステップでも一歩踏み出すことの重要性を感じ、自分にできることはわずかかもしれないが、1つずつ積み重ねていきたいと今回の取材を通してあらためて感じた。今後も、この問題については、発信を続けていきたいと強く思っている。
連載:チャーミングケアで広げる家族の視点
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