時代を読む、ストーリーのあるホテルNo.19 「HOTEL THE MITSUI KYOTO」

最上階の4階に造られた「プレジデンシャル・スィ―ト」(213㎡)のダイニングエリア。窓の外には二条城が目の前。


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ホテルの中心に位置する約1300㎡の中庭。ランドスケープデザイナー宮城俊作氏により再生。建物内はレセプションからレストランFORNI、BAR、四季の間を過ぎ、イノベーティブ「都季」、日本料理「結一」を通り、またレセプションエリアへと戻る回廊様式。

ホテルには中庭が造られ、その半分以上の面積を水盤が囲んでいる。三井家では、古くから庭と邸宅を「池泉回遊式邸宅」としていた。その水盤を囲むように、宿泊棟が建ち、1階には水盤に面してイタリア料理「FORNI(フォルニ)」、反対側にはイノベーディブ「都季(TOKI)」がある。レストランでは、昨年の秋の10月、SDGsを意識しサステナブルをテーマにした食のイベント「サステナブル ダイニング」が開催された。

「都季(TOKI )」では、ランチ営業を別レストランとして、SHOKADO(松花堂弁当)を中心とした日本料理レストラン「結一(YUI )」を開業。一方イタリア料理「FORNI」でも、サステナブル・グリルやヴィーガン料理で知られた米澤 文雄氏をコンサルタントシェフに就任させ、料理のアップグレードを狙うなど進化は様々に進行形だ。

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夏祭りをテーマにした「夏祭りアフタヌーンティー」(¥6700 :ドリンクフリーフロー)は7月から提供。パプリカムースとチョコムースで仕上げた2種類の金魚や、セイボリーにはタコ焼き(タコリゾットのライスコロッケ)、お好み焼き風のピザなど楽し気な夏祭りをイメージ。

客室は全161室。クラシックとモダニズムが融合した客室デザインは、香港在住の気鋭のデザイナー、アンドレ・フー氏が手掛けた。彼の得意とするモダニズムと、三井家の放つ重厚感を上手く融合させバランスの良い高級感を演出している。少し前に実現したアンドレ・フー氏へのインタビューでは、彼の漸進な感覚と細部にまでこだわる繊細な美意識の中に優しい人柄が感じられた。客室内にも三井家と縁のあるアート作品などが細やかに飾られている。

二条城を望む「ニジョウスイート」「ニジョウルーム」は、まさに非日常の贅沢な異空間と言える。一方、地下にある「Onsenスィート」(101~111㎡)はプライベートの露天温泉風呂が設えてあり、地下とはいえ自然光の入る明るい客室でゴージャスに温泉が楽しめる。気軽にホテルライフを週末に…というよりも、高品質のホテルでホテルライフの醍醐味を満喫して欲しいとおすすめしたい。

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二条城を身近に感じる2~4階の「ニジョウスイート」(112㎡)、奥にベッドルーム、豪華なリビングエリアからは二条城が隣り合うかのように近い。

HOTEL THE MITSUI KYOTO 
京都府京都市中京区油小路通二条下る二条油小路町284
075-468-3100(代表)
https://www.hotelthemitsui.com

文=せきねきょうこ

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