2000年前の哲学「ストイシズム」で感情をコントロールする

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「これは、意思決定についての話であり、私たちができる最善の意思決定を得ようとすることです。そして、意思決定のための精神的な手がかりやモデルを持つことなのです」

感情管理のためのツールとしてのストイシズム


ストイシズムは2000年の歴史を持つ古代哲学であり、私たちが今日直面する最も困難な会話の多くに直接適用できる。

ストイシズムの核心は、受け入れることだ。自分でコントロールできないことを受け入れ、その代わりにコントロールできることにエネルギーを集中させるのだ。

「良いも悪いもなく、ただ認識があるのです。認識は私たちがコントロールできるものです」と、ウィッテンは語る。「このことは、特に正しい判断を妨げるような感情を管理するのにも役立ちます」

難しい会話や交渉になったとき、相手の言動をコントロールできないという事実を受け入れることが大切なのだ。あなたがコントロールできるのは、その情報をどう受け取り、どう対応するかだけだ。ここが、自分の力を取り戻し、湧き上がる感情をコントロールするところなのだ。

謙虚さの力


コントロールの正体とは、未知なるものへの恐怖心だ。その結果、私たちの多くはすべてを知ろうとする。交渉において最も重要なのは準備であり、そのプロセスでは、できるだけ多くの知識を得ることが目標だ。これは間違いなく貴重なことだが、相手のことをすべて知らない方がいいというメリットもある。

そうすることで、自然と客観的な状況判断ができるようになるだけでなく、リアルタイムのスキルも磨かれていく。情報が少ないほど、交渉人は、その場その場のスキルに頼らざるを得ない。相手のことをすべてを知らないことを受け入れることは、交渉が感情を排除するものではなく、むしろ、より良い解決策を導くために戦略的な感情管理を取り入れるべきであるという事実を強調し、相互の共感を築くことにもつながる。

翻訳=上西 雄太

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