2000年前の哲学「ストイシズム」で感情をコントロールする

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ダグラス・J・ウィッテンは、調停人、仲裁人、交渉コーチ、そしてInnovative ADR International LLCの創設者だ。2003年に調停人となった後、ウィッテンは、職場や家庭でより良い交渉ができるよう支援することにそのキャリアを捧げている。ウィッテンは、ストイシズムの原則と、難しい会話の際に感情をコントロールするためのツールについて話すために、Negotiate Anythingに参加した。

感情マネジメントを難しくしているもの


感情のコントロールが重要なのは、より明確でより良い決断を下すためだ。また、最も生産的な会話は、理性によって導かれる。そのためには、特に緊張が高まっているときに、感情を健全なかたちでコントロールする必要がある。

交渉の準備をするときには、しばしば、私たちは完璧な戦略を立て、自分の動きを見極めることに全神経を集中させる。しかし、感情的引き金になるものへの準備も同様に重要だ。「それは私たちを動揺させるものではなく、私たちを動揺させるものへの反応のことなのです」とウィッテンは話す。

自分の中の調停者を見つける


「調停者マインドセット」とも呼ばれる、自分の中の調停者は、あなたの目の前にある状況の全体像を描く手助けをする客観的な第三者として機能する。

「人々が内なる調停者を呼び出すことができる限り、最も効果的に対立を解決できる立場にある、と私は考え始めたのです」とウィッテンは説明する。

状況を客観的に見るために脳を鍛えることができれば、感情的にも戦略的にも、より適切な対応ができるようになるという理論だ。

「私たちを傷つけるものは、状況そのものではなく、状況への私たちの反応なのです」とウィッテンはいう。「私たちの視点を変えることができれば、まったく同じ状況を見ても、違ったかたちでそれを感謝することができるのです」

交渉に限らず、客観的に考える力は、総合的な意思決定の向上にもつながる。私たちの人生の質は、意思決定の質にかかっている。もし決断力を高めることができれば、人生のあらゆる側面を向上させることができるのだ。
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翻訳=上西 雄太

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