医薬品業界の新型コロナワクチンへの取り組みが不当に過小評価されている

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まるで永遠のように感じるかもしれないが、米国をはじめとする世界のほとんどが新型コロナウイルスのパンデミックで封鎖状態になってからまだ27カ月である。状況は実に恐ろしく、大量の死体を一時的に保管するための冷蔵トラックが必要な都市さえある。奇跡のように、バイオ医薬品産業は、ファイザー/ビオンティック、モデルナ、ジョンソン・アンド・ジョンソン、およびアストラゼネカ(欧州で)の各社から新型コロナワクチンを供給し、数百万人の命を救っている。

残念なことに、ロバート・パール博士の書いた、「我々は効果の低い薬品になぜ大金を払うのか」という意見記事は、新型コロナとほとんど関係のない文章の中でこのすばらしい功績を矮小化している。同氏は次のように書いている。

「最小限のリスクで最大限の利益を得るというルールに基づいて、医薬品メーカーは効果が最小限の薬品を、救命薬であるかのような価格で販売、宣伝することが常態化している。極めて効果が高く21世紀最大の革新ともいえる新型コロナワクチンでさえ、最小限のリスクで市場にもたらされた。連邦政府は、数十年にわたる国立衛生研究所(NIH)の受託研究を通じて基礎研究費用の大部分を負担し、「オペレーション・ワープ・スピード」の一環として1800万ドル(約24億3000万円)の事前資金を提供することで企業のリスクを最小限にしている」
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翻訳=高橋信夫

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