テクノロジー

2022.06.23 06:00

イスラエル発ハイテク人材養成所Masterschoolが1億ドルのシード資金調達

Antonio Guillem / Shutterstock.com

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ハイテク人材の職業訓練校を運営するイスラエルのEラーニングのスタートアップ「Masterschool」が5月18日、シードラウンドで1億ドル(約127億円)を調達したと発表した。このラウンドはGroup 11が主導し、Target GlobalやPitango Ventures、Dynamic Loop Capital、インパクト投資のパイオニアとして知られるロナルド・コーエン卿などが参加した。

Masterschoolの共同創業者で共同CEOのOtni Leviは、ハイテク人材の不足こそがテック業界が抱える最大の問題だと述べている。調査会社ガートナーの推計によると、米国では現在、100万人のテクノロジー人材が足りない状態で、10年後には、世界で8500万人のテック人材が不足するという。

「我々は、あらゆる人に対してテック業界で活躍する機会を提供することで、このギャップを埋めようと考えている」とLeviは話す。

Masterschoolは、複数のキャリア支援の学校のネットワークを構築しており、それらの学校の受講生は、就職先が決まるまでの間、授業料を払う必要がない。全ての授業はオンラインで行われ、データサイエンスやウェブ開発、サイバーセキュリティなどの科目を履修できる。

講師は、ソーシャルメディアで多くのフォロワーを持つメンターや業界関係者が担当している。その中には、TikTokで24万人のフォロワーを持つアナリストのCharlotte Chazeや、ユーチューブのデータサイエンスチャンネルで16万人の登録者を持つKeith Galliなどの著名人が含まれている。

Masterschoolは現在、30のオンラインスクールを運営し、約1000人の生徒を抱えているが、年内に新たに70校を開校し、生徒数を4000人に増やす予定だ。同社は、平均で前年比5倍のペースで成長している。コアなトレーニングの期間は6〜12カ月となっており、受講生は就職後、授業料を完済するまで給与の10%を支払い続ける。Masterschoolは、テック系の人材を求める企業とも提携している。

「学生が給与を得るようになって、はじめて我々も収益をあげることができる」と、Masterschoolのもう1人の共同CEOのMichael Shurpは言う。

Masterschoolは、イスラエル軍の特殊部隊出身のLeviとShurpらによって2019年初めに設立された。同社は現在、テルアビブに本拠を置き、100人以上を雇用している。

今回のラウンドを主導したGroup 11の創業パートナーであるDovi Francesは、Masterschoolが多額のシード資金を調達できた理由を、次のように説明する。「現状の教育業界は、企業が求める人材を発掘し、育成することに失敗している。Masterschoolは、優れた素質を持つ人々に教育の機会を提供し、彼らにふさわしい仕事に就かせている」

編集=上田裕資

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