投資の専門家たちは、景気後退が「避けられない」と警告し、利益とキャッシュフローが盤石で確実に配当を出すディフェンシブ銘柄、特に公益事業や消費財などのセクターを買って不況を乗り切るよう顧客に助言している。
景気の後退期には、消費財やヘルスケア関連の銘柄が、他の銘柄が苦戦する中でもアウトパフォームする傾向があることは歴史が証明している。CFRAリサーチによると、1990年以降の過去4回の景気後退期には、S&P500の中でこの2つのセクターだけがプラスになっていた。
CFRAリサーチのストラテジストのサム・ストボールによると、市場の急落は通常、航空会社、自動車メーカー、ホテル、カジノなど、「経済に敏感なグループ」に顕著に見られるという。さらに、一部の下位産業については、ホーム・デポのようなホームセンターの小売株が最も好調で、他にもナイキのような靴メーカー、アクセンチュアのようなIT企業、ボストン・ビールのようなビール会社なども好調だった。
一方、FactSetのデータによると、マクドナルド、ウォルマート、ゼネラル・ミルズ、J.M.スマッカー、チェサピーク・ユーティリティーズ、ナショナル・ビバレッジ・コーポレーションなどの銘柄も、過去3回の不況期に平均してプラスを出していた。
ウェルズ・ファーゴのアナリストも、これまでの景気後退の中で回復力を維持してきた消費財と公益事業の銘柄を薦めている。同社は特に、コカ・コーラ、ゼネラル・ミルズ、クラフト・ハインツなどの食料品小売業が、「価格に敏感な消費者」の支持を得ると予想している。
専門家たちはまた、ロシアによるウクライナ侵攻以降に最も好調な市場セクターとなっているエネルギー株を薦めている。ウォーレン・バフェットのお気に入りのシェブロンやオクシデンタル・ペトロリアムといった銘柄は、今後も上昇を続ける可能性がある。
コモンウェルス・ファイナンシャル・ネットワークのブラッド・マクミラン最高投資責任者は「金利の上昇はバリュー株の追い風になるはずだ」としながらも、「グロース株にも明るい兆しが見える」と述べている。最近の市場の下落の中で、テクノロジーや一般消費財などの特定の成長セクターは「より魅力的になっている」と彼は述べている。