新型コロナの根絶はおそらく不可能、感染症専門医が語る課題

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政治的意志の強化は、病気の重症度にも左右される。天然痘は患者の30%が死亡し、患者は数日で全身を膿を伴う病巣で覆われた。こうした目に見える影響を無視したり、否定したりすることは、それほど簡単ではないだろう。これに比べて新型コロナウイルスの死亡率ははるかに少ない。

新型コロナウイルスは根絶できるか?


こうした2種類のウイルスの比較と、引き起こす病気の違いから、私は新型コロナウイルスの根絶に対して極めて懐疑的だ。この先も残り続けるのではないかと思っている。とはいえ、悲観的で悲劇的なことばかりだと言いたいわけではない。

人類は、新型コロナウイルスとの短い付き合いの中でも、効果的なワクチン、治療法、診断法を迅速に生み出してこれたからだ。私たちはこの病気を、集中治療室を満床にし医療制度を崩壊させかけたものから、(最も弱い人々にとっては依然としてリスクであるものの)ワクチン接種者の多くにとっては今や「ひどい風邪」を引き起こす程度のものへと変えることに成功したのだ。

今後も、この病気をうまく飼い慣らすための新しい方法を開発していけるだろうと楽観視している。また、次のパンデミックへの備えを何か学べたと思いたい。私たちはきっとより大きな目的とより強い団結を掲げて、より早く動くことができるだろう。

本稿の著者であるマーク・コルテピーター(Mark Kortepeter)は感染症専門医、科学者、元米海軍大佐。メリーランド州フォートデトリックにある米陸軍の「ホットゾーン」研究所で自らが対処した感染症やアウトブレイクの危機をサスペンスフルに描いた『Inside the Hot Zone』の著者でもある。

翻訳=酒匂寛

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