「グレートカンパニーアワード 2022」の受賞企業を決する審査は9人で行われた。そこにはレオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長/CIO(最高投資責任者)の藤野英人、フォーブス ジャパン執行役員/Web編集長の谷本有香も加わり、外部の視点も加味することで、より審査の公平性を高める狙いがあった。ふたりに審査の感想を語ってもらった。
谷本有香(以下、谷本):「グレートカンパニーアワード 2022」に日本全国、さまざまな業界から最終的にノミネートされた17社は、それぞれが活動する地域によい影響を与えて、国内の経済圏を新たにしていくような企業ばかりでした。そのような企業群から本当に優れたトップ6を選び、褒賞し、素晴らしい思想・哲学と活動内容を社会に広く知らしめようとする「グレートカンパニーアワード」の意義というものを、今回はあらためて感じさせていただきました。
藤野英人(以下、藤野):今年で13回目の開催となる「グレートカンパニーアワード」の歴史において、船井総合研究所(以下、船井総研)の外部から審査員が入るのは今回の私たちがはじめてということでしたが、私も大変によい経験をさせていただきました。船井総研の審査員が語られている内容だったり、その審査のあり方だったりも含めて私が感じたのは、「企業に対する寄り添い方が違う」ということです。客観的な分析に終始するアナリストとは異なり、長年にわたって企業に寄り添い、ともに課題解決を成し遂げてきたコンサルタントによる企業分析の温かさを感じました。
谷本:圧倒的にポジティブな空気が審査会場に充満していましたからね。冷静な現状分析を礎としながら、これから先を見据えてどのように企業の成長に寄り添っていけるかについて鋭く、優しく、温かく考えている。そうした圧倒的なポジティブシンカー(積極的思考者)の集団が船井総研なのだと思います。
藤野英人 レオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長/CIO(最高投資責任者)
信頼と愛が日本経済を元気にする
谷本:私は、この「グレートカンパニーアワード」のピラー(柱)そのものに、まずもって重要性を感じています。「スケールできるか」「グロースできるか」ということばかりに焦点を合わせるのではなく、「顧客を感動させられるか」「働く社員が誇りを感じているか」「社会に貢献できているか」といったところにもフォーカスしていて、まさに「三方よし」という言葉を体現するアワードになっているところが素晴らしいと思うのです。日本企業のあり方としてはもちろん、日本らしいエコシステムのつくり方という意味においても多くの示唆を与えてくれるアワードであり、今回のノミネート企業でした。
藤野:よい意味でザラザラした会社が多かったですね。地域にしっかりと根差していて、必要とされ、チャレンジ精神があり、類い稀なる存在感がある。こうしたザラつき、すなわち社会に対する確かな手触りのある会社をコンサルしているのが船井総研の強みです。谷本さんがおっしゃられた「三方よし」という意味では、「社会貢献賞」にノミネートされた3社はどれもが素晴らしい会社だったと思います。心から応援したいと思えるような会社ばかりでした。
私には資産運用会社の社長として、もっとも大切にしている考え方があります。それは「“よい人が、好きな人と楽しく働ける場”を保ち続けていくこと」です。だから、「経営の心得13か条」における第1条の冒頭に「楽しくなければ仕事じゃない」という言葉を据えていて、「働く社員が誇りを感じる会社賞」に輝いた関家具にも強い共感を覚えます。また、今後の伸びしろの面白さ、爆発力を感じさせてくれるのは「ユニークビジネスモデル賞」の47ホールディングスでしたし、確かに船井総研のグレートカンパニーアワードはピラー(柱)そのものが魅力的ですね。
谷本:そうですね。「顧客感動賞」を受賞したマザー・キーの経営哲学には、私も深く感動しました……。先ほど、藤野さんがおっしゃられた「地域にしっかりと根差し、必要とされ、挑戦を続け、圧倒的な存在感を放っている」という意味では、やはりシアーズホームグループHDが「グレートカンパニー大賞」に相応しかったのではないかとあらためて感じているところです。この会社の営業担当者は、お客様が親戚や友人を呼んで新築の自宅を披露する場に「ぜひとも来てほしい」と招かれることが多いらしいですから。
谷本有香 フォーブス ジャパン執行役員/Web編集長
藤野:新築祝いのパーティーにまで必要とされ、存在感を放っている社員がいる……。そこに信頼と愛を感じます。こうした信頼と愛こそが、日本経済を元気にしていくエネルギーだと私は思います。
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藤野英人◎早稲田大学法学部卒業。野村投資顧問(現:野村アセットマネジメント)、ジャーディン・フレミング(現:JPモルガン・アセット・マネジメント)、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントを経て、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。中小型・成長株の運用歴が長く、ファンドマネージャーとして豊富なキャリアを有する。