ロシア人スパイが国際刑事裁判所に潜入試みる オランダ情報機関が阻止

Getty Images

オランダの情報機関は、ロシアが国際刑事裁判所(ICC)にスパイを送り込み、ウクライナ攻撃に関する同裁判所の調査情報を得ようとする試みを阻止したと発表した。スパイはブラジル人のインターンを装っていたという。

オランダ情報機関(AVID)は声明で、セルゲイ・ウラジーミロビッチ・チェルカソフというロシアの諜報員が、ヴィクトール・ミュラー・フェレイラというブラジル人を装ってICCでのインターンを申し込んだと明らかにした。

AVIDによると、チェルカソフは4月にオランダへの入国を拒否され、ブラジルに送り返されていた。

もしチェルカソフがICCでインターンとして働くことになっていたら、ICCのビル内部やデジタルシステムにアクセスすることができ、情報源を確保したり刑事訴訟手続きに影響を及ぼしたりしていたかもしれない、とAVIDは説明した。

ICCはロシアがウクライナに不当に侵攻した際に犯した非人道的犯罪や大量虐殺といった戦争犯罪について捜査中だ。ICCを公式に承認していない米国を除く39カ国から捜査の支持を受け、ICC検察官のカリム・カーン氏が3月に捜査を開始した。

AVIDはチェルカソフの手の込んだ偽の経歴を公開した。そこには、家族や経済的苦境、さらにはエレクトロニック・ダンス・ミュージックを流すクラブへの出入りなどが詳細に記されていた。AVIDによると、この種の偽装工作には何年もかかるという。

翻訳/溝口慈子

ForbesBrandVoice

人気記事