ここ2年間ほどの間で、15分以内のデリバリーをアピールするスタートアップがいくつも出現し、ベンチャーキャピタルから多額の資金調達を行ってきた。15分以内のデリバリーをアピールするスタートアップがいくつも出現し、ベンチャーキャピタルから多額の資金調達を行ってきた。しかし、ここ最近は多くの企業が人員を削減したり市場から撤退するようになっている。
今回の調査は、ロジスティクスとデリバリー分野にサービスを提供するAI(人工知能)スタートアップのStor.aiによって実施された。それによると、これらの企業がアピールする迅速なデリバリーのニーズは、ごく限られたもので、一般的な需要はまだないという。
Stor.aiが米国の買い物客1000人を対象に行った調査で、15分以内の食料品のデリバリーのために割高な料金を支払う可能性が「非常に高い」と答えた人は、全体の2%未満だった。一方、過半数の57.5%が「割増料金は払わない」と答えていた。
また、回答者たちの多くは、スピードやユーザーエクスペリエンスよりも、必要なものが手に入るかどうかに関心があると回答した。Stor.aiはこのレポートの結論として、企業は在庫切れを防ぐためのテクノロジーにもっと投資すべきだと述べている。
「パンデミックの発生以降、多くの消費者がオンラインショッピングに切り替えたが、この分野のスタートアップが誤解しているのは、顧客が常にスピードを求めているという点だ。当社のレポートは、消費者たちのニーズがスピードよりも、フルフィルメントにあることを示している」と、Stor.aiのCEOのMendel Gniwischは述べている。
今回の調査で、食料品のデリバリーを利用する消費者は、日常的にEコマースを利用する人々でもあることが分かった。そのため、デリバリーの企業には、Eコマース企業と同様の基準を満たすことが求められる。
「現代の食料品の小売店は、Eコマースと同様の利便性とシンプルさを意識しつつ、地元のニーズを汲み取って店舗での買い物のエクスペリエンスの向上に務める必要がある。さらに、ハイブリッドなサービスの導入によって、収益を向上させていく必要がある」と、Gniwischは付け加えた。