過去3カ月の間、インフレが急上昇し、景気後退の懸念が広がる中で、ビットコインの価格は4万8000ドルの高値から約2万1000ドルまで急降下した。そして今、多くの投資家が再び、痛みを伴う期間がしばらく続くと考えている。
「今後の2年間は本当に荒れた時期になりそうだ」と語るのは、運用資産が10億ドルを超えるクリプトファンド「エレクトリカル・キャピタル」のマネージングパートナー、アビチャル・ガーグ(Avichal Garg)だ。しかし、この分野の将来性についての彼の考え方の根本は変わらない。「新しいソフトウェア開発者の参入が続き、優秀な創業者を目にする機会も増えている」と彼は話す。
「フェイスブックやグーグルなどのWeb2企業の幹部もどんどん入ってきている」とガーグは言う。しかし、ある大きな要因が、投資家たちを不安にさせている。
「クリプトとWeb3がマクロ経済の弱気市場に直面するのは今回が初めてで、来年はリセッションがやって来る可能性もある」と彼は話した(ビットコインが誕生したのは、金融危機が終わる直前の2009年初頭のことだった)。
運用資産が2億ドルのクリプト投資会社、Hack VCのマネージングパートナー、アレックス・パック(Alex Pack)も同じ意見だ。「冬の時代が1~2年続くと誰もが言っている。私たちも投資先の企業に2年のランウェイ(資金がなくなるまでの猶予期間)を確保しておくように伝えている」
広範な経済への懸念と、直近のステーブルコインTerraUSDの崩壊を受けて、大手のレンディング(貸し付け)サービスのセルシウス(Celsius)への疑問も高まっている。同社は、13日未明に公開したブログで、「引き出しや口座間の資金移動などを一時停止する」と発表し、多くの人がその支払能力を疑うようになった。
「この手の高い金利を約束するプラットフォームは、たとえ強気市場の中でも疑わしい」と、クリプトファンドScalar Capitalの共同責任者のLinda Xieは話す。「時々、話がうますぎるように思えるが、それは実際にそうだからだ。裏側では多くのレバレッジとハイリスクな行為が行われているに違いない」と彼は述べた。