ビジネス

2022.06.16

スポティファイが新規採用を25%抑制、「景気後退」を警戒

Chubo - my masterpiece / Shutterstock.com

スポティファイのダニエル・エクCEOは6月15日、従業員に対し新規採用のペースを25%抑制すると伝えたと複数のメディアが報じた。同社は、景気後退への懸念の中でコスト削減に乗り出した企業の群れに加わった模様だ。

従業員に宛てたEメールでエクは、スポティファイが今後も新たな採用を続けるが、「今後のいくつかの四半期にわたりそのペースを緩め、もう少し慎重な姿勢で取り組む」と述べた。

暗号通貨取引所のコインベースも14日、コスト削減のために約18%のスタッフを解雇する予定だと発表した。不動産テクノロジー大手のCompassとRedfinも14日にそれぞれ10%と8%の人員削減を発表した。

ロイターは先週、イーロン・マスクがテスラの固定給で働く従業員の約10%を解雇し、それらの職種の新規採用を凍結する意向だと報じていた。

米連邦準備制度理事会(FRB)は15日、過去28年間で最大となる0.75%の利上げを実施した。これは、5月のインフレ率が予想を上回る8.6%に上昇し、40年ぶりの高水準となったことを受けての動きだ。

13日にはS&P総合500種が39%安となり、1月3日の過去最高値からの下落率が21.8%に達したため、2020年3月以来の弱気相場入りが確認された。これにより、景気後退が差し迫ったという懸念が広がり続けている。

スポティファイは、今年の第1四半期末時点の全世界のフルタイムの従業員数を8230人としていた。最も人気のストリーミングサービスの1つである同社の月間アクティブユーザー数は4億2200万人とされている。

スポティファイのポール・ボーゲルCFOは先週、投資家に対し同社が「世界経済に関する不確実性の高まり」を注視し、「直近の採用計画の見直し」を進めているが、「当社のビジネスに対する重大な影響はまだ出ていない」と述べていた。

同社の幹部は、ポッドキャスティングなどの同社のビジネスの一部が今でも「投資モード」であり、10億ドルの費用を注いだにもかかわらず、まだ利益を上げていないと投資家に説明した。

編集=上田裕資

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