最新のアドビデジタル物価指数のデータによると、食料品価格は先月、前年比で11.7%上昇し、今年2~4月に記録した年間上げ幅の記録を上回った。
アドビ社によると、米国の消費者は5月、ネット上で約788億ドル(約10兆6600億円)を支出している。これは、2021年5月の支出を7.1%上回っており、4月にネット上で支出された約778億ドル(約10兆5300億円)より約10億ドル(約1300億円)多い。
消費者は今年これまでの間に、ネット上で約3776億ドル(約51兆1000億円)を支出している。これは、2021年の同時期と比べると8.9%の上昇に当たる。
全体的なオンライン価格は5月、前年比で2%上がっていたが、4月と比べると0.7%下がっていた。5月の前年比の上げ幅は、前年比で2.9%上昇した4月や、前年比の上げ幅が最高記録となる3.6%を出した3月と比べるとはるかに低い。
裁量支出の抑制
アドビのグロースマーケティング・インサイツ担当副社長であるパトリック・ブラウンは「不透明な経済状況や、食料品など中核部分のコスト上昇により」、一部のカテゴリーでオンライン支出が抑制されていることがデータから示されていると語った。
ブラウンは5月のデータ発表に際し、「裁量品に対する消費者支出が鈍化していることで、3月以降は電子商取引の成長が鈍化し1桁台になった。今回の買い控えは、ネット上でのインフレの緩和を映すものだ」と語った。
消費者調査基盤を提供するアテスト(Attest)が今週発表した調査では、消費者の84.2%がコスト増により購入を控えていると答えた。アテストによると、調査を受けた人が最も懸念事項としていたのは食品コストで、その後はガスや電気、家賃や住宅ローンの支払いが続いた。
アテストの創業者であるジェレミー・キング最高経営責任者(CEO)は、こうした支出の抑制は「さまざまな種類のブランドに非常に現実的な影響をもたらすが、プレミアムや旅行、エンターテインメントのセクターは特に大きな影響を受ける」と述べた。
同社によると、米国の消費者の半分は服や外食などの必要不可欠ではない支出を減らしている。また、以前は高級品市場で買い物をしていた3分の1以上の人は現在、こうした買い物を減らしている。