「サル痘」ウイルスは、1958年に実験用のサルから初めて検出されたことで、その名が付けられた。ヒトの感染は1970年、コンゴで最初に確認されている。その後はアフリカの数カ国で感染が報告されているが、米疾病対策センター(CDC)によると、感染者が最も多いのは、これまでのところコンゴだ。
ただ、サル痘ウイルスは人の移動や動物の輸入などにより、次第にアフリカ以外の地域でも感染の報告が増加。米国のほかイスラエル、シンガポール、英国でも検出されていた。
今年5月以降のサル痘ウイルスの流行で、最初に感染者が確認されたのは英国だ。その後、ポルトガル、スペインでも検出され、現在は米国のほかオーストラリア、カナダ、フランス、ドイツなど、各国に感染が拡大している。
CDCによると、感染の拡大にはげっ歯類が関わっている可能性があるとみられるが、今のところ宿主は特定されていない。