単純な応援グッズでは、サポーターのみの消費で終わってしまうが、サポーターがアンバサダーとなるような仕組みを構築できれば、非常に強力な離陸エンジンになる。我々マクアケも「応援購入」という経済を追求している会社だが、だからこそ、最初に応援してくれる消費者の生み出す“後押しパワー”の効果を知っている。
それだけに、Jリーグのサポーターがアンバサダーとなって応援宣伝のネットワークを最大化する仕組みが、想像もしないエンパワメント装置になるかもしれないと感じるのだ。
こういった装置はJリーグだけでなく、ある程度のメジャースポーツであれば、ほかの競技にも適用できる。いまはさまざまな制約があるだろうが、プロ野球やプロバスケなどでも、同じ構図での応用が可能だろう。
プロスポーツが、ファンとチームの経済圏の枠を超えて地域経済のブーストエンジンになる。それがやがて、より多様な商品が世の中に羽ばたく日本のインフラになっていく──そんな未来を、勝手に妄想している。
なかやま・りょうたろう◎マクアケ代表取締役社長。サイバーエージェントを経て2013年にマクアケを創業し、アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」をリリース。19年12月東証マザーズに上場した。