アップルの「ヘルスケア」は科学ととも進化する 幹部が語るWWDC発表の新機能

アップルのジェフ・ウィリアムズ氏


Apple Watchはユーザーの健康増進に寄り添う


Apple WatchやiPhoneのように、ユーザーがほぼ毎日身に着けたり持ち歩くであろうデバイスを活用して、自身の健康状態の変化を中長期的な視点で正しく、そして少ない負担で計測できることの意味は大きいと筆者は考える。取得されたデータが科学的知見と結び付き、やがてヘルスケアの発展に大きく貢献する期待も高まる。

Apple Watchユーザーから人気を集める「アクティビティ」と「ワークアウト」のアプリにも、同じく科学的知見をベースにした革新的な新機能が追加される。

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アップルのジェイ・ブラニク氏

ブラニク氏はこれまでにアップルは、すべてのユーザーが健康の維持・増進に向けてモチベーションを高められるよう、ひたむきにアプリの進化を目指してきたと話す。

「心拍数範囲」もApple Watchと一緒にワークアウトを楽しむユーザーに歓迎されそうな機能だ。ヘルスケアアプリに入力した年齢や安静時心拍数を背景情報として、ユーザーごとに最適化された5つの心拍ゾーンが自動作成される。ユーザーは心拍数範囲を参照しながら目的に合わせたワークアウトに取り組める。ワークアウトの成果を反映して、30日ごとに心拍数範囲を自動更新する機能もまた興味深い。

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心拍数範囲を自動、または手動により設定。目的に合わせたワークアウトの実践をApple Watchがサポートする

Apple Watchを日ごろからランニングに活用するユーザーには、「歩幅の長さ」「接地時間」「上下動」などの詳細な「ランニングフォーム指標」を走りながら計測できるwatchOS 9の新機能も重宝するだろう。

「ランニングフォームを測定するために従来は特殊なセンサーが必要でした。アップルのチームは手首に装着するApple Watchのセンサーだけで、正確な指標を導き出すアルゴリズムを開発しました。すべてのランナーに満足いただける機能になるはず」とブラニク氏は胸を張る。

WWDC 2022の数々の発表を受けて、世界中のデベロッパも一斉に開発に乗り出すだろう。きっと秋以降には、Apple Watchのビギナーからヘビーユーザーを問わず楽しめるさまざまなアプリやサービスがApp Storeに揃うはずだ。

連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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文=山本敦

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