金融のプロが予測、超低金利がもたらす次なる経済トレンド

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6月15日の外国為替市場は一時1ドル135円台半ばまで下落し、約24年ぶりの安値更新となった。16日〜17日には日銀の金融政策決定会合が開かれるが、緩和維持か、それとも修正へ舵を切るのか、黒田東彦総裁の発言に注目が集まる。ウクライナ情勢も依然先行きが不透明のなか、金融業界のプロフェッショナルは相場をどのように見ているのか。

日本初のスマートフォン専業ネット証券事業などを手がけ、現在はブロックチェーンを使った金融システムの開発に注力する、Hash DasH Holdings社長の林和人に聞いた。

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溢れるマネーがもたらす二極化に注目


企業経営への影響は、マクロ経済指標の数字として来年の前半から現れてくると思われます。ただ、円安によって恩恵を受ける企業の業績が景気全体を牽引することで業況感の停滞は起こらないと見ています。

むしろ、ある大きなトレンドがさらに強まっていくことに注目しています。それは、超低金利で積み上がったマネーが巨大IT企業を中心とする、いわゆる「勝ち組企業」に集中してきましたが、コロナ禍によってその二極化が加速している点です。

コロナ禍では飲食業やサービス業などがダメージを受け、所得の低い世帯や若い世代に影響を与えました。その一方で巨大IT企業には資金がさらに集中し、溢れたマネーが新たな富裕層を生んで超高額商品が品薄になるといった、今までにない事象が起こっています。

日本においては、市場金利の大幅な上昇は限定的ですが、円安は大きな影響を与えると考えています。インバウンド消費が大復活する一方で、パソコン、車、機械、センサーチップ、高級ブランド、ジュエリーなどがますます品薄になり、来年にかけて特に生産財メーカーに影響が出てくるでしょう。

当社グループでは溢れるマネーの受け皿として、収益性と安定性のバランスの良い資産性の高い金融商品の提供を行っていこうと考えています。

文=林和人 編集=露原直人

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