米民主党、11月の中間選挙で「惨敗」の可能性 世論調査

バイデン大統領(Photo by Win McNamee/Getty Images)

11月に実施される中間選挙で米民主党が惨敗する可能性が浮上した。ギャラップ社の新たな世論調査で、米国の有権者の議会や大統領に関する満足度は、他の中間選挙の年を大きく下回っていることが分かった。

ギャラップが5月2日から22日にかけて米国の成人1007人を対象に行った世論調査で、バイデン大統領の支持率は41%だった。また、議会の支持率は18%、経済を前向きに評価する人の割合はわずか14%だった。

これらの数値はすべて、1974年以降の中間選挙の年の平均を10ポイント以上下回っていた。バイデン大統領の支持率(41%)は、2018年のトランプ前大統領と同率で、2006年のジョージ・W・ブッシュ前大統領(38%)をわずかに上回った。

ギャラップのデータは、今年の中間選挙で民主党が議席を減らす可能性が高く、このような低い評価が続けば通常より多くの議席を失うことを示唆している。

1974年以降のデータで、中間選挙で大統領の所属政党が失う議席数の平均は23議席とされている。この数字は、大統領や議会の支持率に応じて変動し、共和党はトランプ前大統領の支持率が41%だった2018年に40議席を失った。一方、民主党は、オバマ前大統領の支持率が45%だった2010年に63議席を失った。オバマの支持率は現状のバイデンよりも高かったが、議会の支持率は21%で、31%が経済を否定的に捉えていた。

ここで気になるのは、中間選挙における民主党の動向だ。共和党は下院で5議席、拮抗状態にある上院では1議席を獲得すれば議会の支配権を獲得できる。ギャラップは、現在の傾向から中間選挙が共和党に勝利をもたらす可能性があると予測している。

民主党が11月までにどのように巻き返しを図れるかを考えた場合、例えば、最高裁は今後の数週間で「ロー対ウェイド判決」(1973年に下された妊娠中絶の権利を認める判決)を覆し、各州に中絶を禁止させる構えだが、この動きは人々の投票を促し、民主党の追い風になると考えられる。また、ギャラップによると、一連の銃乱射事件をきっかけに高まった銃規制をめぐる議論も、中間選挙に重要な役割を果たす可能性がある。

編集=上田裕資

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