いまや誰もが認める世界的スターであり、もちろん、同国内の人気も国民的。コンサートに足を運ぶオーディエンスこそ10〜30代が9割近くを占めるものの 、「(BTSが)世界的に認められていることを誇りに思う」との意識は16〜24歳の69%に対して55〜64歳が92%と、高齢者からの評価が高いことも特徴です。
そのBTS、6月10日にはニューアルバムをリリースしました(既発表の45曲に対して新曲はわずか3曲ですが…)。シングルカットされる「Yet To Come」は事前にミュージックビデオのティーザーをYouTubeにアップロードするなど、盛り上がり醸成の戦術もいつもながら巧みなものでした。
<YouTubeで1億回再生される>というと途方もなく聞こえますが、今日のBTSにとっては再生回数の到達自体は高い山ではなく、<そこに要した時間の短さ>が指標となっている感すらあります。それではここで、YouTube における1億回再生の最速ランキングを見てみましょう。2022年6月4日時点でのデータで、K-POPだけでなく世界を対象にしています(というと、答えが透けてしまうでしょうか……?)。
Kworb.netが収集したデータに基づくこのグラフを見ると、YouTubeの再生回数においてはK-POPの独壇場となっています。BTSによる3枚の英語版シングルのうち、「Butter」と「Dynamite」の2枚については何と24時間で1億回再生を達成したことが見て取れます。英語シングル3枚目の「Permission To Dance」は2.1日、全体では7位にランクインしています。3位と5位は韓国の女性グループBLACKPINK、そして6位にはメンバーであるタイ出身のシンガーLisaのソロデビューシングルも意気揚々とランクインしています。
韓国勢以外はグラフには入っていませんが、B・プラーク(インドの歌手)の11位が最高位でした。テイラー・スウィフト、アリアナ・グランデなどの欧米のアーティストもそれに続いています。
K-POPは、K-Beautyに次ぐ韓国の2大文化輸出品の1つで、ここ数年で急速に世界的な現象になりました。2018年の時点でBTSの売上は韓国のGDPの0.3%を占めていたとされています。サムスンやヒュンダイといった財閥系企業には及ばないものの、当時の大韓航空の売上がGDP比0.7%でしたので、やはり驚くべきことでしょう。今回の「活動休止」による韓国経済への影響も気になるところです。
世界戦略を作るならStatista!をデフォルトにすべく、筆者も日々汗をかいております。それではまた次回、データで発見☆しましょう!
(世界最大級データポータル「Statista」の記事はこちら:The K-pop Songs Setting YouTube Records)。