大企業では、売上1ドルあたり58セントが、サプライヤーへの支払いで占められている。ゆえに、多様性を増すことは、これらの企業にとってもメリットがあると言える。トップクラスの企業はこの点を承知している。今後10年間にMWBEとの取引に500億ドル以上を投入すると誓約しているのも、おそらくこれが理由だろう。
マッキンゼーのシニアパートナー、シェリー・スチュワート3世(Shelley Stewart III)はこう指摘する。「企業にとってサプライチェーンのリセットは、マイノリティが経営する企業の参画をさらに促すことを視野に、自社の調達基盤を再構築するまたとない機会だ」
状況の変化を意識する
米国においてサプライヤーの多様性の問題に着手したのは、民間企業ばかりではない。米国政府も取り組みを始めている。
政府は、サプライヤーの多様性の実現に向けてよりいっそう注力しており、米商務省は2021年、マイノリティ企業開発局を恒久的な部署に格上げするとともに、MWBEとの調整や協業に関する同局の権限も拡大している。