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2022.06.17 13:00

アジア系ビューティブランド発 「美しさの多様性」にZ世代が共感


中でも注目は、日本へのリスペクトから生まれたブランド「Tatcha」。台湾系アメリカ人のVictoria Tsai氏が日本への旅行からインスピレーションを得て、2009年にローンチした。

サンフランシスコ発のスキンケアブランドだが、日本の「和の心」をコンセプトにしていて、肌と心のつながりを大切にするウェルビーイングやスキンケアリチュアル(儀式)を提案している。


Getty Images

米国での「J-Beauty」の火付け役とも言われ、「セフォラ」でも絶大な人気。2019年には、ユニリーバーの傘下に入り話題となったが、メンタルヘルスの課題がより深刻化する中で、こうした心身ともにヘルシーに美しくなるコミュニケーションは、今後さらにニーズが高まるに違いない。

互いにサポートし合う美容業界のリーダーたち


こうしたアジア系ファウンダーたちが、互いにサポートし合う動きも出てきている。

中でも目を引くのは、韓国系アメリカ人Sarah Lee氏とChristine Chang氏の2人で立ち上げた韓国ビューティブランド「Glow Recipe」。フルーツの恵みを生かしたスキンケア製品を展開するブランドだ。

「K-Beauty」にインスパイアされた美容ルーティーンや、カラフルでキャッチーなパッケージがSNSで人気を呼び、フェイスマスク「ウォーターメロン・グロウ・スリーピング・マスク」は何度も完売。米ビューティ市場で話題となった。


Sarah Lee氏(左)とChristine Chang氏(右)。2019年12月の「Glow Recipe Launch Event」にて /Getty Images

公式サイトによると、Glow Recipeは「寛大な心は、肌を輝かせる」というメッセージのもと、「Glow for Good」という慈善活動を行い、ダイバーシティ&インクルージョン、環境保全、女性のエンパワーメントに取り組んでいる。さらに、アジア系住民へのヘイトクライムについても、SNSで積極的に声を上げている。

AAPIの若者をサポートするコミュニティ「Act To Change」とも提携して活動しており、2021年5月には「AAPI Beauty and Fashion Fest」というイベントを開催。アジア系のビューティ&ファッションブランドのファウンダー達と問題解決に向けて意見を交わすなど、積極的に社会貢献活動を進めている。

今年は、5月の「AAPI Heritage Months(AAPIコミュニティの功績を称える月)」にちなんで、同社と前述した「Cocokind」「Tower28」など全8ブランドがコラボした限定コレクション「AAPI Bestseller Beauty Collection」を発売。多様な美しさを讃えると同時に、美容業界を牽引するアジア系リーダー達の存在感を示した。

なお、このコレクションでは、売り上げの一部がアジア系コミュニティの慈善団体に寄付される。

同社は、これから美容ブランドを立ち上げる起業家や、起業して間もない美容ブランドへのメンターシップも充実させている。
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文=田辺敦子

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