イギリスの首都ロンドンの壮観さを間近で感じることができる場所と言えば、テムズ川以外に何があるだろうか。そんな素晴らしい景色は、是非アルコールと共に楽しみたい。ロンドンにあるバーのオーナー達もそのことを良く理解しているようで、うれしいことに、この数カ月の間にロンドン市内のテムズ川を一望できる場所に新たなバーが次々とオープンしている。さあ、では皆で声を高らかに叫んでみよう。「テムズ川に連れて行って!」
Dandelyan, Photo Courtesy of Naill Clutton
Dandelyan/ダンデライアン
スタイリッシュでありながらも、さりげないクールさが評判のバー業界の巨匠といえば、「ミスター・ライアン」として知られるライアン・チェティヤワルダナ氏。そんな彼が2014年に開業したばかりの「モンドリアン・ロンドン・アット・シー・コンテナーズ」内に新しくオープンしたバーが「ダンデライアン」だ。ミクソロジスト(=果物や野菜、ハーブなどを使ってカクテルをつくるスペシャリスト)として数々の賞を受賞したミスター・ライアンは、2013年にロンドンのホクストンにオープンした「ホワイト・ライアン」に次いで、同年、ニューヨークにもリキュール・バー「ヘンリー」を開店。
モンドリアン・ロンドンのこの新しいお店でも彼の革新的なスタイルを味わう事ができる。カクテルのメニューは、シリアル、ベジタブル、ミネラル、フローラルなどに分かれ、普通では考えにくい材料を使っている。例えば、「Elderfir(エルダーファー)」という名のカクテルは、ダグラスファー(ベイマツ)、グレープフルーツ、トニック、イギリス産カム&サンズの食前酒、そしてテキーラがブレンドされたもの。また、「Ford & Warner(フォード&ワーナー)」と名付けられたカクテルには、タンポポの花が魅惑的に添えられている。
そして、店内のインテリアは、イギリス人インテリア・デザイナーのスーパースターとして知られているトム・ディクソン氏が担当。ダンデライアンは、革新的なカクテルを五感で味わえるお勧めのスポットだ。
ロンドンの最も高い場所で美味しいお酒と食事を楽しめるという、なんとも魅力的なダイニングバーがある。つい先頃オープンしたシャングリラ・ホテル・アット・ザ・シャードの52階にある「ゴング」は、カナリーワーフから、ウィンザー城を越えて流れるテムズ川の美しい景色を360度の展望で楽しむことができる。
この荘厳な場所に位置するお店だけあって提供されるカクテルメニューは、他では見かけないものばかり。ドライアイスの演出が粋な「ザ・ビッグ・スモーク」は、ジン、シェリー、そしてベルモット酒のカクテル。是非一度は試してみたいメニューだ。また、5種のシャンパーニュがグラスでオーダーできることもうれしい。加えて、サセックス州にあるリッジビュー・ワイン・エステートが提供するイギリスの希少なスパークリング・ワインもここで味わうことができる。また、お酒と共に愉しめるサンドイッチ、サラダ、デザートなどのちょっとした料理をいただくことも。ジンジャーマリネしたサーモンの柚子クリーム添え、ピリ辛わさび、クレソンをトーストでいただくプレートや、薫り高いローズマリー・フォッカチャのロースト・ベジタブル添え、デザートには魅惑的なチョコレート・セレクションが人気だ。
The Understudy, Photo Courtesy of Philip Vile
The Understudy/アンダースタディ
ロイヤル・ナショナル・シアターに新しくオープンしたバー「アンダースタディ」はリラックスした雰囲気が漂っている。床から天井にまで届く窓から外を眺めることができる店内では、座り心地良さそうなソファやアームチェアーでお酒を味わうことができる。川沿いの景色を楽しむこともできるテラス席もおすすめだ。地元のクラフトビールが日替わりメニューとして楽しむことができ(レッドチャーチ醸造会社のベスナル・ペール・エールかバーモンジーにあるフォーピュア・ピルスナーがお勧め)、グラスワインやカクテル、ロンドンで蒸留されたスピリッツなど豊富なラインアップが魅力的だ。川沿いを散歩した時にふと立ち寄りたくなるような立地にある「アンダースタディ」には、ある日の午後、本を持ってふらっと立ち寄り、読書にふけってみたくなる雰囲気がある。また夜になれば、ナショナル・シアターでの上演を終えた俳優やスタッフ達で賑わっていて、その日のショーを無事に終えた彼らと共に祝杯をあげることもできるかもしれない。
3 New London Bars With Wondrous Waterfront Views