そんな中、米国のジャネット・イエレン財務長官が、暗号通貨を退職金プランに含めることが「非常にリスキーだ」と警告した。
イエレン財務長官は6月9日、ニューヨーク・タイムズ(NYT)が主催したイベントで、暗号通貨全般について「退職に備えて資金を貯めている人のほとんどに勧められるものではない。私としては非常に危険な投資だと考えている」と述べた。
今年4月に金融大手のフィデリティ・インベストメンツは、確定拠出型年金401(k)プランに暗号通貨投資のオプションを追加し、運用する401(k)口座にビットコインを含めることを可能にすると発表した。労働省はこの計画に「重大な懸念を抱いている」と述べていた。
財務長官は9日のイベントで、ビットコインやイーサリアムなどの暗号通貨を401(k)プランなどの退職金口座に組み込むことを、議会が規制する可能性を示唆した。「規制を推奨するとは言わないが、私の考えではそれは理にかなったことだと思う」と彼女は述べた。
ウォール街の暗号通貨への関心は、市場全体の価値が3兆ドル近くに膨れ上がる中で、ここ数年で爆発的に高まった。しかし、ビットコインの価格は現在、昨年の史上最高値の約7万ドルの半分以下に下落し、暗号通貨市場全体を引き下げている。
イーサリアムや他のトップ10の暗号通貨のBNBやソラナ、カルダノ、XRPはビットコインよりもさらに激しく暴落し、ソラナの価格はピーク時の10分の1近くまで下落している。
イエレン財務長官は以前にも、ビットコインと他の暗号通貨の将来について警告し、トレーダーや投資家が極端なボラティリティの中で多額の損失を被る可能性があると述べていた。
「これは非常に投機的な資産で、極めてボラティリティが高いものであることを人々は認識すべきだ。私は、投資家が被る可能性のある損失について心配している」と彼女は2月のCNBCの取材に語っていた。