米山:私は、自分自身のことを「商業作家」でもあるし「エンターテイナー」でもあると思っています。展示や、人に絵を見せて買っていただく行為にはサービス精神が乗っているので、アート的な意味合いよりも、「娯楽を開拓している」という感覚なんです。
PALOW.:僕たちはアーティストではないですもんね。僕たちは僕たちにどういう名前を付けるんだろう? といつも思っています。
「アーティスト」の定義自体が時代によって変わりますが、少なくとも今言われているアーティストの方々のような生き方は、僕たちはまったくしてないんです。とはいえ、商業作家としても、僕らのチームは邪道側。極端に言うと、自分がいいと思うものを描いて、それが人に好まれて楽しまれて、それを買ってもらってと、経済活動につながれば、それが理想型ではありますね。
展示会「Re\arise #1 EXTHIBITION TOKYO」より。PALOW.さんの作品(編集部撮影)
米山:コミックアートやアニメアートの分野では、“表現して人とつながれる場所”としてのコミックマーケットやコミティアの存在がとても大きいですよね。ただ、それらはすでに完成された大きな市場があり、そこに対するアプローチも決まってしまっています。
そこで私は、コミケなどのイベントが持つ「自分の好きな人と関われる体験」や「ものを買う嬉しさ」「そこに行く喜び」などを、“私たちバージョン”にアップデートしたら面白いんじゃないかと思っています。そんな思いを今回の展覧会にも込めました。
展示会「Re\arise #1 EXTHIBITION TOKYO」より。米山さんの作品ブース(編集部撮影)
実際、どれぐらい的を射た表現ができているかはわかりませんが、自分たちの思うバランスで提示してみて、お客さんがどんな反応をするのかは楽しみですね。