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2022.06.14

「世界の山ちゃん」の売り上げを過去最高に導いたのは元専業主婦の新人社長だった? 手羽先の日|6月14日

Parinda Yatha / EyeEm / Getty Images

6月14日は「手羽先の日」です。愛知県名古屋市を中心に展開する手羽先店チェーン「世界の山ちゃん」の創業日であることから制定されました。

現在、「世界の山ちゃん」を展開するエスワイフードを率いるのは、創業者である山本重雄元会長の妻・山本久美社長。2016年、重雄元会長が急逝した直後に会社を引き継いだのが、当時3人の子を抱える専業主婦だった久美さんでした。

久美さんには教師の経歴はあったものの、経営はもちろん民間企業での勤務経験もゼロ。幹部の1人を社長にすることやM&Aの選択肢もありましたが、久美さんは社長として会社を引き継ぐ意思を固め、会長急逝の翌月に社長に就任したのです。

会社を想う気持ちは強いものの、経営に関しては全くの素人だった久美さんは、社員には「一緒にやってほしい」、取引先には「助けてほしい」と正直に伝えたと言います。カリスマ経営者だった元会長とは違うやり方で、「教えてほしい」という姿勢を明確に打ち出した久美さんに呼応するように、会社も徐々に変化。社員たちからさまざまなアイデアや提案が生まれやすくなっていきました。

久美さんは社内の組織整備にも努めます。以前は多くの社員が部門を兼任していましたが、営業、管理、企画など、部門を明確に分け、それぞれのスペシャリストを育てることにしました。頼れる会長がいないなかでは、各部門ごとに責任を持って仕事にあたるべきと考えたのです。

こうした改革により、久美さんは会長が亡くなり窮地に陥った会社を見事立て直し、2019年には過去最高売り上げとなる年商81億へ導きました。

久美さんがカリスマ創業者の後を継ぐという難業を乗り越えた背景には、自分をさらけだし、周りに助けを求めて巻き込んでいく謙虚さと潔さが隠されていました。

連載:今日は何の日?

執筆協力=アステル

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