こうして本気で事業と向き合ってきた尾﨑が、特に悔しさを感じたのは、周りの人たちから投げかけられた否定的な言葉だったという。
「起業1、2年目の頃には、『女性だからすぐやめるでしょ』『何歳まで続けるの?』と言われ、会社が成長してからは『自力で会社を大きくできるはずがない』などと批判されたこともありました。投資に関わる方や先輩経営者にまで否定的なことを言われた時は、とても悔しい思いをしました。女性経営者同士で話しても、こうした風当たりを経験した人は多いと感じます」
その背景には、VCや投資家に男性が多く、女性向けのビジネスや事業内容を正確に理解する人がまだまだ少ないことがあるだろう。女性向けプロダクトに投資している会社は限られていて、コミュニティも小さい。プレゼンに行っても、「自分はその商品のペルソナから外れているからよくわからない」と言われることもあるという。
「本来、『女性起業家』とわざわざ呼ぶのもおかしいし、反対に『女性だからすごい』となるのも違うと思う。当たり前の仕事を当たり前に評価されるようになるためには、圧倒的な結果を出すしかないと思っています」
鎧を脱いで、自分のファンで居続けること
事業に没頭する尾崎が、今回バチェロレッテとして婚活の旅に参加することを決意したのはなぜか。
「創業メンバーが何人も辞めた時は本当にしんどくて、それまで1人でなんでも乗り越えてきたけど、ふと、こんな時に自分の弱い部分もわかってくれる人がいたらといいなと思ったのがきっかけでした。それまで意識してこなかった結婚について、考えてみようかなと。
今回のテーマは『鎧を脱ぐ』なんです。私は仕事面で、負けたくない、なめられたくない、という焦りが根底にあって。それで自分を追い詰めて、1人で乗り越えよう、どんどん強くなろうとしていたんですよね。恋人と付き合っていても、いいところばっかり見せようとしがちだった。でもそれだといい関係はなかなか築けないから、この旅では鎧を脱ごうと決めたんです」