食品業界のデータ提供サイト、フード・インスティテュートが、店頭データの収集・分析を行うリサーチプラットフォームSNIPPResearchの予測として伝えたところによると、ミレニアル世代の80%が今後15年以内に、子を持つ親になるという。
フード・インスティテュートの最新リポート「Aligning with Millennial Parents(親になったミレニアル世代と歩調を合わせる)」では、食品業界のリーダーらに話を聴き、ミレニアル世代を対象にしたマーケティングの今後を予測している。
それによると食品企業が、子を持つミレニアル世代の心をつかもうとするなら、社会的な良心を示さなくてはならないようだ。インクリメンターズ(Incrementors)の調べによると、ミレニアル世代の37%が、自らが支持する社会正義に沿ったブランドを支持している。
インクリメンターズのシヴ・グプタ(Shiv Gupta)最高経営責任者(CEO)は、「ミレニアル世代が商品を購入するときは、品質や味などさまざまなことを基準にしている」と話す。「この世代の多くは、社会問題を支援するブランドに引きつけられている」
また、ミレニアル世代の消費者が絶対条件とするのは、オンライン購入が可能であることだ。この世代は、オンライン上のレビューやソーシャルメディアに投稿されたコメントに影響を受ける傾向がある。
したがって食品会社は、デジタルを使った手段を介して、子を持つミレニアル世代と積極的に関わり、前向きなブランドイメージを形成すべきだ。ウェブサイトの透明性も、できる限り高めなくてはならない。
テネシー州を拠点とする登録栄養士で、コンサルティング会社バイイング・スクール・フード(Buying School Food)の創業者でもあるクリスティン・ノース(Kristen Nauss)は、「ミレニアル世代は、グーグル世代でもある。疑問を抱いたら、数回のクリックで答えにたどり着きたいと考えている」と指摘する。「食品会社は、ウェブサイトに絶えず最新の製品情報を掲載して、競争力を維持しなくてはならない」
フード・インスティテュートによれば、食品会社にとっては、マーケティングメッセージを発信したりパッケージをデザインしたりする際に、品質と健康に焦点を当てることも欠かせないという。
ミレニアル世代がとりわけ重視するのは、新鮮な原材料だ。食事を用意する際に新鮮な食材を使うと回答した割合は、ミレニアル世代が35%なのに対し、Z世代(1990年代中頃以降生まれ)は29%、ベビーブーマー世代は27%だったことが、マーケティング会社ベリキャスト(Vericast)の調査でわかっている。