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2022.06.12

米玩具大手マテル、より「グリーンな企業」目指し取り組みを強化

米玩具大手マテル(Photo by David McNew/Getty Images)

米玩具大手マテルは、業界が直面するプラスチックの問題に対応するための努力を続けている。その一環として、ベビー向けおもちゃブランド「フィッシャープライス」の商品をリサイクル・プログラムの対象に加えることを決定した。

子どもにおもちゃを買い与える親たちの間では、プラスチック製品が環境に与える影響への懸念が高まっている。米玩具協会の委託を受けて行われた最近の調査の結果によると、親たちの78%は、「おもちゃの持続可能性は自身にとって重要な問題だ」と回答している。

マテルは中古の玩具を無料で回収するプログラム、「プレイバック」を昨年開始した。顧客は同社が用意したラベルを印刷し、送料無料で古くなったバービー人形、「メガ」のブロック、「マッチボックス」のミニカーを回収拠点に送付。同社がそれらを再利用したり、リサイクルしたりするという取り組みだ。

そして、対象製品をさらに拡大した現在は欧米の数カ国で、電気を使用しない「フィッシャープライス」の玩具、フィギュアの「リトルピープル」、「ラフ&ラーン」シリーズの知育玩具、「イマジネクスト」シリーズの玩具を回収している。

マテルは2019年12月、すべての玩具とパッケージに使用する素材を2030年までに、「100%リサイクル素材、またはリサイクル可能な素材、バイオベース(生物由来)の素材にする」との目標を設定した。さらに今年4月には、パッケージに使用するプラスチックの量を製品ごとに、同年までに2020年比で25%削減するとの新たな目標を発表している。

これらに加え、マテルはカーボンニュートラル認証を受けたメガブロックの「グリーンタウン」シリーズ、マッチボックスのミニカー「テスラ・ロードスター」を発売した。量販店で販売される玩具でこの認証を受けたのは、このシリーズが初めてだという。また、「ロードスター」は99%リサイクル素材で作られている。

マテルのサステナビリティ・ソーシャルインパクト部門のグローバ責任者、パメラ・ジルアラバスターは、1年前から開始した「プレイバック」プログラムについて、次のように述べている。

「製品の耐久性や分解について、より多くのことを教えてくれた。これは循環経済(サーキュラーエコノミー)を実現するための商品の設計において今後、助けになるものになるだろう」
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編集=木内涼子

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