インフレで個人消費が落ち込む中、小売業界では消費者の新たな行動パターンに対応する動きが広がっている。
ターゲットは6月7日、コロナ禍で一時的に需要が高まったテレビや屋外用の家具などを値下げし、食料品や美容用品などの、より需要が高い商品のためのスペースを拡充すると発表した。
Gapやメイシーズなどのアパレル大手も、アクティブウェアやレジャーウェアの在庫を処分して、オフィスに戻る人々の需要に応えようとしている。一方、前四半期に在庫を33%急増させたウォルマートも、5月初旬にテクノロジーと家庭用品の25%オフを実施した。
コストコは先月、小型家電の過剰な在庫を抱えていると発表し、家電量販店のベスト・バイは、需要が減少したコンピュータの一部の製品を300ドル引きで販売している。
これらの動きの背後には、パンデミックの発生から2年が経過し、消費者の嗜好が変化したことが挙げられる。連邦政府の景気刺激策は、コンピュータや薄型テレビなどの高価な家電製品の購入を促進した。しかし、今では外食や旅行などのエクスペリエンスへの支出が増えている。
サプライチェーンの混乱や労働力不足の問題を受け、昨年の小売業では値引きがほとんど無かったが、今年の夏は様々なキャンペーンが目白押しになりそうだ。さらに、大手企業による余剰在庫の放出で、バーリントン(Burlington)やロス(Ross)などのディスカウントストアで掘り出し物が見つかるケースも増えそうだ。