LA市長選で一騎打ちの「黒人女性と不動産王」を支える富豪たち

カレン・バスとリック・カルーソ(Photo by JOCE/Bauer-Griffin/GC Images)(Photo by Dave Starbuck/Bauer-Griffin/GC Images)

6月7日に投票が行われるロサンゼルス市長選の予備選挙は、不動産事業で億万長者となった実業家のリック・カルーソ(Rick Caruso)と、民主党の黒人女性議員のカレン・バス(Karen Bass)の一騎打ちになる見通しだ。

フォーブスの試算で43億ドルの資産を保有するカルーソは、ライバルのバスよりもはるかに多くの選挙資金を用意している。ロサンゼルス郡のデータによると、彼は個人で借り入れた3750万ドル(約50億円)をキャンペーンに注いでおり、その額はバスの選挙資金の470万ドルの8倍にも及んでいる。

カルーソは、さらに他の億万長者や支援者たちから75万ドルを調達し、伝統的にリベラルなロサンゼルスを、自身のキャンペーン広告で満たしている(ロサンゼルス・タイムズ紙によると、カルーソーは元共和党員だが、今年1月に所属政党を無所属から民主党に変更した)。

しかし、LAのダウンタウンでのコミュニティー活動を経て連邦下院議員となったバスの背後にも、強力な支援者たちがいる。映画監督でドリームワークスの共同創業者であるスティーブン・スピルバーグ(保有資産37億ドル)や、先週メタのCOOを退くことを発表したシェリル・サンドバーグ(同16億ドル)を含む5人のビリオネアから、彼女は個人寄付の上限である1500ドルずつを受け取っている。

暗号通貨のリップルの共同創業者のクリス・ラーセン(同32億ドル)や、米国で最も裕福な農家とされたスチュワート・レスニック夫妻(同合計80億ドル)も、彼女の支援者だ。

一方で、カルーソの支援者には、不動産投資家でドール・フード・カンパニーの元会長のデビッド・マードック(同23億ドル)や、サブプライムローン王のドン・ハンキー(同55億ドル)、自動車ディーラーのペンスキー・オートモーティブ創業者のロジャー・ペンスキー(同30億ドル)の息子のグレッグ・ペンスキーといった富豪たちが居る。

カルーソとバスのどちらが、有権者を動かすかどうかはまだ分からないが、もし、どちらかの候補者が過半数の票を獲得すれば、その候補がLA市長に選ばれることになる。しかし、現在のところ両候補の得票率はどちらも30%台と予測されており、11月8日の中間選挙と同時に実施される決選投票まで、2人の戦いは続く見通しだ。

編集=上田裕資

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