ヒル教授らは、リセッションの兆しが見えるとき、女性は「パートナー候補に対して自らをより魅力的に見せる商品に対する購入意欲を高める」と説明している。つまり、女性は自らの魅力が高まるのであれば、「高額でも購入する」とみられる。
それは、男性がロマンティックなパートナーとして女性をみるときに外見を重視する傾向があること、景気が悪くなればリソースが豊富な男性が減少する(失業者が増加する)ことだ。そのため女性たちは、自らの外見的な魅力をさらに高めようとするのだという。
そして、これには「高級ブランドの商品の方が、魅力を高める効果が高い」と考えられていることも影響しているとされる。これについて教授らは、「広告の効果もあるだろう」との見方を示している。
香水も効果的?
新型コロナウイルスのパンデミックが発生して以降、誰もがマスクを着用することになり、メイクアップ用品の売り上げは落ち込んだ。そして、この間にはフレグランスの売上高がかつてないほど大きく伸びていたという。
NPDのバイスプレジデント、ラリッサ・ジェンセンによると、最も販売が好調だったのは、より高価な高級ブランドや、デザイナーズブランドの商品だった。ジェンセンは、「マスクで唇を隠さなければならないとき、パートナー候補の注意を引く商品は、フレグランスだということだろう」と述べている。
だが、パンデミック前の生活様式に戻りつつある現在、最も強力な効果を持つ化粧品は、やはり口紅だとみられている。ある臨床心理学者は、口紅は最も大きく外見を変え、魅力を高めることができるものだと指摘している。